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マクドナルドとドンキ広告の永山瑛太が“狂気”…と話題。日常を“ジャック”する強烈な俳優像

永山姓への改名

 では、永山瑛太名義になってからの彼はどうだろう? 改名は2019年の年末に発表され、翌2020年、平成から令和への改元のタイミングでしめやかに行われた。  本名である永山姓への改名で、弟・永山絢斗との兄弟関係がより鮮明になった。改名後第1作ドラマ『あしたの家族』(TBS、2020年)を経て、NHKで放送された『Living』(2020年)では、実の兄弟がドラマ内でも兄弟を演じ話題となった。  しかもこれが意外にも初共演だったのだから、見たことがありそうでない新鮮な印象とともに永山瑛太への改名は、イメージや好感度のさらなるアップをも手伝うこととなった。

怪しく尾を引く役

 俳優としてのフェアな態度もよりスリリングに深化する。  長澤まさみ主演のサスペンスドラマ『エルピス-希望、あるいは災い-』(関西テレビ・フジテレビ、2022年)で演じた連続殺人犯役は、永山の紛れもない真骨頂が滲んだ怪演だった。わずかな出番で神出鬼没のごとく現れ、不気味な存在感を残す。  じわじわ感じさせる恐怖は、煮えきらないエンディングを迎えた最終話の後も、怪しく尾を引いた。さらに是枝裕和監督が坂元裕二に脚本を委ねた問題作『怪物』(2023年)での教師役も極めつけだ。  小学校のクラス担任・保利(永山瑛太)が、教え子に度重なる体罰を加えたことから予想外の醜聞が広がる。その実、罪を着せられただけの保利のキャラクター性に全編の前半と後半で白黒を付け、繊細な好演が素晴らしかった。
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広告起用がディストピアのような世界
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