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「東大卒・汚部屋育ち」で母親の言いなりだった女性が、親子関係に悩む人に伝えたいこと<漫画>

汚部屋化していくことに気づかなかった

――10代後半から実家が汚部屋になっていったそうですが、当時はどう感じていたのでしょうか。 ハミ山:後から振り返ると「すごい状況だったな」と思うのですが、当時はずっと家にいるので散らかっていることを認識していませんでした。  日々を送るのに精一杯で、「片付け」というプラスの思考を生活の中に組み込むことができませんでした。最後のほうは自分たちの手には負えなくなって、業者さんに頼むしかないような状態だったと思います。 ――部屋が散らかっていることに関して、お母さんはどう言っていましたか? ハミ山:山積みになっている新聞紙や洋服を片付けようと母に言っても「あんたのものばかりよ」と言われるので、話し合っても無駄だとあきらめてしまいました。母はすべてのものが私に帰属しているという認識だったのだと思います。 ――汚部屋で暮らしていたために、衛生観念が世間とズレていることに気づいたという描写がありましたが、その後変化はありましたか? ハミ山:自分では改善されたと思うのですが、感覚的なことなので「普通」になれたかどうか判断するのは難しいですね。逆に「気にし過ぎじゃない?」と言われることもあります。  以前、「片付けアドバイザー」の方に1時間2000円くらいお支払いして来てもらったことがあるのですが、とても有意義な体験でした。片付けが苦手な人は外注したほうがいいかもしれません。

実家脱出のチャンスに繋がったもの

物件探し

※イメージです(以下、同じ)

――ハミ山さんは、偶然知り合った方に強く背中を推されて実家を出ます。助けてくれたのはどんな方だったのでしょうか? ハミ山:同じ大学出身の友人の知り合いというだけで、そこまで親しくない人でした。交流があったのはそのときだけで、今は連絡を取ってないんです。もしかしたら他人にお節介をするのが好きな人だったのかもしれません。でも、あまり親しくない人でも他人に対して踏み込むことができるということだと思います。  誰しも親友がいるとは限らないですし、親に支配されて育った人はいろいろな面で世間とズレていたりするので、友人関係をうまく築くことができません。でも、少しでも社会との繋がりを持っていると、踏み込んでくれる人は良くも悪くもいるんだと思います。  中には他人に干渉されることで余計に困ることもあるのかもしれないですけど、私は運が良かったんだと思います。 ――問題のある実家を脱出するために、大切なことは何だと思いますか? ハミ山:家族以外の人と交流することを諦めないことだと思います。学校や会社をなるべく辞めずに、集団に属しておいたほうがいい。そうしないと家の中に閉じ込められてしまうので、社会との繋がりを手放さないでほしいと思います。
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自分を大切にする方法がわからなかった
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