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「東大卒・汚部屋育ち」で母親の言いなりだった女性が、親子関係に悩む人に伝えたいこと<漫画>

自分を大切にする方法がわからなかった

――初めてのひとり暮らしで困ったことはありましたか? ハミ山:実家はエアコンが壊れているのに汚部屋のために修理に人を呼べなかったので、冷暖房が使えなかったんです。だからひとり暮らしを始めてからも、自分のためにいつクーラーをつけていいのか分からず、暑くても我慢していました。  いわゆるセルフネグレクトだと思うのですが、他にも体調管理に必要な食事やお風呂の頻度など指針となるものがなく、自分を大切にする方法が分からなかったです。 ――ひとり暮らしをして良かったことはありますか? ハミ山:自分でコントロールして、人生が進むようになったことです。友達を作ることができたし、今は結婚して子どもがいます。  実家は汚部屋で机の上に物が山積みだったので、ひとり暮らしをしてから机を使えるようになったのが嬉しくて、漫画を描き始めるきっかけになりました。  何より良かったのは、親と離れたことで親子関係を俯瞰して考えられるようになり、理解しようと試みることができるようになったことです。

今は母に対し「理解できるところもある」

窓に手を当てる――今はお母さんに対してどんな思いがありますか? ハミ山:母は孤独だったので、誰にも頼れない中で子どもを支配しようとしたことは理解できるところもあります。  それを私がどうにかしてあげられなかったのか、行政の窓口や、心療内科などの医療に助けを求めることはできなかったのかなと考えることもあるんです。  でも「できなかったから私は家を出るしかなかったんだ」という結論に至ります。子どもの私が母を病院に連れていくのは無理だったし、子どもの責任ではなかった。  もし、私のように実家が汚部屋だったり、親のことで悩んでいる人には「あなたのせいじゃないよ」と伝えたいと思います。 <ハミ山クリニカ 取材・文/都田ミツコ>
都田ミツコ
ライター、編集者。1982年生まれ。編集プロダクション勤務を経てフリーランスに。主に子育て、教育、女性のキャリア、などをテーマに企業や専門家、著名人インタビューを行う。「日経xwoman」「女子SPA!」「東洋経済オンライン」などで執筆。
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