
「年齢や、一人暮らしであることを理由に、猫を飼いたいという人を断ってしまうと、その人たちはペットショップでお迎えしてしまいます。
私は1匹でも多くの保護猫がお迎えされることを願っているので、当園では保証人を付けられる限り、一人暮らしの人にも譲渡しています」
大切なのは、保護猫が新しい飼い主と幸せに暮らすこと。愛情を持って適切にお世話ができる人であれば、年齢や家族の人数は問わないというのが齋藤さんの考えです。
「新しい家に迎えられた猫は、もう当園の猫ではありません。あとは飼い主さんを信用するのみです。
しかし、元々は私の下にいた猫で、縁が完全に切れるわけではないのですよね。その猫が亡くなったということをご連絡いただいたり、SNSで知った際には必ずお花を贈ります」
“猫はおもちゃではなく生き物だ”と小学校の道徳の時間にきちんと教えてほしい
最期の最期まで猫と飼い主さんを思う斎藤さん。保護猫への深い愛情と、活動に対する覚悟を感じます。
そんな思いに反して、お迎えを希望する人の中には、残念ながら猫を「モノ」として見ている人も少なからずいるようで……。
「小学校の道徳の時間に、猫はおもちゃではなく、生き物だということを、きちんと教えてほしいですね。
そして、生後間もない子猫のお迎えを希望する人もたくさんいますが、子猫の期間は一瞬です。大人になってからの時間の方が圧倒的に長いのですよね。
子猫の期間が過ぎても、本当にお世話をしてくれるかが気になります……」
との言葉に、筆者もいち動物好きとして、うなずいてしまいます。