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大好きな男が授かり婚を発表してショック。“女の幸せに家族と子どもはマスト”に決別するまで

恋と愛の違いかもしれない

恋に振り回されたり相手の男の言いなりになったりして、ジェットコースターに乗っているような激しい揺さぶりこそ恋だと思いたくなるときはある。だがじっくり考えてみれば、「情熱的に好き」なことと「ふたりで生きていく」こととの間には大きな違いがあるのだ。恋と愛の違いかもしれない。
「情熱的な恋を求めているだけで、先のことなどまったく考えていない」のなら、恋に身を投じるのも楽しい。恋は不可抗力だから、うっかりそんな恋に巻き込まれたとしてもあとで取り返しはつく。 だが、「生涯をともに歩む相手と愛情を育みたい」なら、情熱に振り回されているだけではだめなのかもしれない。地に足をつけて、しっかり相手を見つめ、とことん話し合わなければ、相性は見定められない。それでもうまくいかないこと、失敗だったと思うことはあるはずだ。 夫の横暴に耐えていた郁子だって、ついに我慢の限界を感じて逃げ出した。結婚するときまさかこんなことになるとは思っていなかっただろう。何があるかわからないのが人生。だが郁子は49歳で社会に出て、自分の個性を活かしながらがんばっている。 実生活では、周りにいい人たちがいるとは限らないし、簡単に職が見つかるわけでもないだろうが、それでも「今いるところから一歩踏み出してみる」と、世界が変わる可能性はある。自分で自分をあきらめなければ、何かが転がり始めるのだ。

幸不幸は常に隣り合わせ。子どもは別人格

郁子の原動力は子どもたちだ。「苦労はあるけど、子どもからもらう幸せは、子どもからしかもらえない幸せでもある」と彼女は言う。もちろん、それは子どもがいなければ不幸だという話ではない。禍福(かふく)はあざなえる縄のごとし、人生ずっとハッピー、ずっとアンハッピーということはない。幸不幸は常に隣り合わせ、ひょっとしたら裏表だったりもする。 たとえ子どもであっても、別人格で別の人生。全寮制の高校から逃げてきた息子が、八田の家で化粧に興味をもち、大きなイヤリングを下げているのを見て、郁子はふと不安げな表情になる。彼女は今後、この息子を全面的に受け入れることができるのだろうか。 <文/亀山早苗>
亀山早苗
フリーライター。著書に『くまモン力ー人を惹きつける愛と魅力の秘密』がある。男女関係、特に不倫について20年以上取材を続け、『不倫の恋で苦しむ男たち』『夫の不倫で苦しむ妻たち』『人はなぜ不倫をするのか』『復讐手帖─愛が狂気に変わるとき─』など著書多数。Twitter:@viofatalevio
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