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トランス女性の日テレ映画プロデューサーが娘に「女の子はピンク」と言われ、伝えたこと

動画コンテンツや絵本でも伝えられることがある

――YouTubeやTikTok、Netflixなど、さまざまな動画コンテンツがありますが、その中でお子さんに見せるコンテンツをどのように取捨選択していますか?  そうですね。特にYouTubeはAIに好みだと判断された動画が次から次へと再生されますよね。そうすると、最終的には偏りのある動画ばかりになってしまいます。それなら、私は一つの“ホンモノ”の作品を見せたいです。  例えば、アニメ「アルプスの少女ハイジ」を見て、スイスという国の素晴らしさを知り、興味を持ったとします。するとそこではドイツ語とフランス語を話す人がいるということを知れば、そこにある文化、本物に興味を向けられるのかなと。 ――子どもに多様性を伝えるための絵本や作品などはありますか?  海外と比べると日本はまだ少ない印象があります。なので、私たちは海外の絵本を選ぶことが多いです。本棚に英語の絵本があることで、さまざまな言語が普通にあるということも教えられると思うので。  英語に対する憧れやコンプレックスを抱く人も多いですが、あくまで私たち人間が話す言語の一つとして、自然な形で英語に接する機会を与えたいと思いますし、ひいてはそんなところからもこの世界の多様性を伝えていきたいです。  多様性と呼ぶと堅苦しく聞こえるかもしれませんが、多種多様な世界、人たちは当たり前に存在します。そういった事実に触れられる環境をなるべく与えたいなと思っています。

自信を持つことは簡単ではないけれど…

谷生俊美さん――昔よりも「多様性」や「自分らしさ」について語られる時代になりました。自分らしく生きるためのアドバイスがあれば教えてください。  自信を持つことは大切だとよく言われますが、自信を持つことは簡単ではありません。それに自己肯定感も簡単に獲得できるものではありません。それでも、自分を受け入れることはできる気がするんですよね。自分を抱きしめ、大切にすることを少しずつ積み重ねることはできると思うんです。  失敗してもいいから何かアクションを起こし、行動し続けることによって、いつか実績になるかもしれないし、それが自分を受け入れることにつながるかもしれない。そんな成功体験が積み重なれば、絶対的な安心感を得られますし、自己肯定感も高められるのかなと。そうみなさんに伝えたいですね。 <取材・文/Honoka Yamasaki 撮影/鈴木大喜>
Honoka Yamasaki
昼間はライターとしてあらゆる性や嗜好について取材。その傍ら、夜は新宿二丁目で踊るダンサーとして活動。
Instagram :@honoka_yamasaki
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