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「農薬でがんに…」国政政党による“醜悪すぎるデマ”を農家が怒りの告発

有機農業の現状は

 さて、有機農業自体はもちろん悪ではない。農林水産省も援助などを始めている。しかし拡大傾向にあるものの、国内の耕地に占める有機農業取組の面積は1パーセントにも満たないのが現状だ。  品質管理が難しく、安定した収穫量が保てないこと、生産コストが高いことなどが理由に挙げられる。  シトさんも「無農薬・無化学肥料を循環型で持続可能な農業と考えるのは早計です。多大な労働力が必要で、価格高騰と収穫量が減ることを見れば持続は不可能。栽培サイクルを循環できても、携わる人がいなくなります」と指摘する。  国を挙げて一気に有機農業を推進した結果、経済危機に陥ったスリランカの例もある。健康志向があっても、自給率が下がり、安定供給がなくなり、経済も鈍って気軽に食べられなくなれば本末転倒だ。  そもそも「自然な食べ物」への心酔が理由で、ただでさえ担い手が不足している慣行農家が悪者にされていいはずがない。参政党が考えを改めて反省するかはともかく、何事も極端な話を支持せずに、しっかり現実を見て考えるのが賢明だろう。 <文/黒猫ドラネコ>
黒猫ドラネコ
九州出身。Webライター、漫画原作者。主に怪しいスピリチュアル界隈や信者ビジネスなどを観察し潜入取材も敢行。ニュースレター「トンデモ観察記」を定期配信している。 Twitter:@kurodoraneko15 ニュースレターも配信中
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