News
Lifestyle

“飲むだけで痩せる薬”に医師も警鐘、9kg減のグラドルが「2度と飲みたくない」と語る壮絶体験

成功体験の裏に潜む危険性

麻倉ひな子さん「前回処方してもらったときも、“吐きそうにはなるけど吐かない”みたいな、ちょっと気持ち悪い、えずくような感じがしていたんですが、2回目に処方してもらった時は本当に吐き気と冷や汗がすごくて、実際に吐いちゃって…。 その日の予定を全てキャンセルしてからは、真っ暗闇のトイレで6時間しゃっくりする感覚で吐き続けました。座れない。寝れない。手も痙攣してきて…。10分間隔でずっと吐いているので、誰かに助けを求めようにも、救急車を呼ぶにも吐いてて喋れなかったんです」 こみ上げてくる苦みに「胆汁が出てきたのかも」と恐怖を覚え、座ることも立つこともままならないまま、這うように家の近くの内科に駆け込んだ彼女。そこで医師からリベルサスが医師会で問題になってることを知らされ、「どこで処方されたんだ」と怒られながら吐き気止めや整腸剤処方をしてもらったという。 「そこから二週間は固形物が食べられなくなりました。ご飯を食べようとすると、リベルサスを飲んでいないのに、食事に対する拒否反応が出ちゃって…。少し粘度のある飲み物もダメで、お茶とか水しかのめませんでした」 たった1錠の薬だったにも関わらず、普通の生活に戻るのには1ヶ月くらいかかったという彼女。今でも広告をみると口の中が苦くなるほど、トラウマとして植え付けられてしまった。

医師も警告、止まらない処方

この体験談を受け、リベルサスについて、専門的な知識を持つ医師・糖尿病専門医の加藤大也さんに話を聞くと「リベルサスは糖尿病患者さんの血糖コントロールを助けるだけでなく、体重減少の効果も期待されています。しかし、リベルサスは本来“糖尿病治療薬としてのみ承認”されているもの。美容や減量目的での使用は、医薬品の適切な使用目的外となります。任意の使用や過剰な使用は避けるべきであり、専門知識がある医師の指示のもとで適切に使用することが重要です」と強く警鐘を鳴らした。 さらに、昨今では副作用の被害報告だけで無く、糖尿病患者で本来使用すべき人への供給不足が社会問題になっているという。 「糖尿病でない人がリベルサスを使用すると、血糖値が過度に下がる危険性があります。これは、低血糖症状を引き起こす可能性があり、深刻な場合は昏倒や意識喪失を引き起こす可能性もあります」 また、今回のケースで問題視される点についても「医療側として2回目の内服時、適切な量からの使用開始指示がないところが特に問題」と指摘する。今回のように皮膚科や美容外科など、内科もしくは糖尿病内科以外の機関での受診は、正しい知識を持たない医師も多いのだ。 「消費者側の副作用を含めた薬剤の正確な知識不足と、薬剤の専門知識が乏しく、営利目的の為、美容目的、減量目的に安易に処方している医療機関側にも、モラルの問題があります。リベルサスは糖尿病治療薬としてのみ使用すべきであり、何度も言いますが、美容や減量目的での使用は推奨されません」 “痩せたい”という誰しもが抱いたことのある願望が、知識不足故に命の危機にまで至ることは絶対に避けなければいけないことである。 リベルサスの使用を検討している場合は、必ず専門知識がある医師の指導のもとで使用するのが何よりの安全策と言えそうだ。 <取材・文/瑞姫> 【取材協力】 加藤大也/たいや内科クリニック 院長  1997年、藤田保健衛生大学(現・藤田医科大学)卒業後、同大学院医学研究科内分泌・代謝内科学修了。2003年4月から同大学医学部内分泌・代謝内科助手を務める。2010年5月、JA愛知厚生連豊田厚生病院内分泌代謝科病棟部長などを経て2022年5月、たいや内科クリニックを開院。糖尿病専門医・総合内科専門医・甲状腺専門医 藤田医科大学医学部客員講師。医学博士 糖尿病、生活習慣病を中心に、日々診療に取り組む。患者さん目線で分かり易い説明がモットー
瑞姫
1994年生まれ。奈良県出身。エンタメメディアでの芸能ライターとしての経験を経て、フリーランスのライターに。主にエンタメ・トレンド系の取材・インタビューを中心に、恋愛コラムの執筆を行っている。フォロワー数4.5万人のTwitterでは恋愛・美容系について発信する、インフルエンサーとしても活動中。漫画と散歩と猫が好き。 Twitter:@mizuki32k
1
2
Cxense Recommend widget
あなたにおすすめ