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秋ドラマの俳優ベスト3。松下洸平の“沼らせ力”も最強だけど、子役出身の“彼”にも釘づけ!

『コタツがない家』吉岡秀隆

最後に触れたいのは、この秋一番のダメ男を演じている吉岡秀隆。『コタツがない家』(日本テレビ系、水曜よる10時~)で、主人公・万里江(小池栄子)の夫・悠作を演じています。
廃業寸前の売れない漫画家で、日がな一日ダラダラ過ごす悠作。編集者の土門(北村一輝)いわく「圧倒的な社会性のなさと欠落した人間性を持つ」悠作。そんな完璧なダメ夫を、吉岡は完璧に表現しています。

ダメ夫から放たれる哀愁が憎めない

映画『三丁目の夕日』シリーズで演じた小説家・茶川もそうでしたが、吉岡は偏屈でちょっとダメな感じの男を、愛らしく演じるのが上手い。『コタツがない家』の悠作は働きもしないのに、減らず口だけは止まりません。 台詞だけを切り取ると、屁理屈ばっかりでとことん相手をイラつかせる言葉ばかり。しかし、憎みきれないキャラクターとして表現するのが、吉岡ならでは。台詞回しと会話の間合いが絶妙で、観る者が不快に感じる一歩手前で加減されており、仕事も家事もバリバリこなす万里江を妻にもつからこその葛藤すら感じさせます。
11月29日に放送された第7話では、漫画家を辞めると宣言。「描きたいことが見つからないこともツラいし、期待されたことが面白く描けないこともツラいし、うまく描けないだけなのに描きたくないフリをするのもツラいし、ホントはもう描けないんじゃないかってことに向き合うこともツラい」と、自分のダメさをさらけ出す姿は、まさに男の哀愁全開でした。
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そんな吉岡、映画『ゴジラ-1.0』では打って変わって……
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