塾の仲間とは学校の友人よりも仲良くなり、受験が終わった後もたびたびオンラインでゲームをして遊んでいました。そのまま、コロナ禍に突入。

「普通、学校は休校で外に出るなと言われたら、子どもはさぞかし退屈だろうと思いますよね。ですがAにとっては、家で友達とオンラインゲームをしているのがそれまでの日常だったので、
逆に日常通りでノーストレス。
運動不足でときどきコンビニや散歩に出かけましたが、毎日大好きな友達とゲームができる毎日は『理想の生活』だったようです」
そんな姿を見て野澤さんは戸惑うことも増えてきて、勉強もしなくてはいけないだろうと焦りが募りました。
けれど、休校の日々が長引くにつれ、テレビのニュースやネットで子どもたちの「友達に会えない」「学校に行けなくて辛い」という悲痛な叫びが話題に。野澤さんは「
もしかしたらAはとてもラッキーだったのでは」と思うようになりました。
「正直、わたし自身が外出や人と会うことが好きだったので、コロナ禍はストレスが溜まりました。飲食店が休業になり、ランチの約束もなくなっていくことに息苦しさを感じ、友人と時々オンライン通話をしていました。
大人でもこの状態なのだから、子どもたちは本当に辛いだろうなと思うのに、うちのAだけは相変わらず『いつもと同じで快適!』と言っているんです」