パジャマ売り場にはピンクで丸エリだらけ。好きじゃないデザインでも妥協するべき?
『わたし史上最高のおしゃれになる!』『お金をかけずにシックなおしゃれ』などの著書があるファッションブロガー小林直子さんが、愛用しているアイテムをご紹介します。
それは去年の冬の終わりのことでした。電気代の請求書を見ながら私は考えました。光熱費の節約のために、来年は暖かいパジャマも用意しようと。
というのも、ここ20年ぐらい、私の寝るときのスタイルは、パジャマパンツを買って、トップスはコットンの長袖Tシャツというスタイルで、あまり暖かくはないのです。
この、パジャマパンツだけを買って、トップスは長袖Tシャツを合わせるというスタイルは、円高の時代にガーネットヒルやランズエンドでパジャマパンツだけを買うということを始めて以来、ずっと続いているもの。
このように上下セットアップにせず、ばらばらにしておくと、洗濯も上と下、違うタイミングでできますし、気温によってトップスだけ半袖にかえてみたりと、臨機応変に対応できるので、とても便利なのです。
私は通常、夜、お風呂から出た後、パジャマに着替え、それから本を読んだり、ドラマを見始めたりします。そのときにこのスタイルでは少し寒い。電気代を節約するなら、お部屋はもっと寒くなるだろうということは予測できます。
そこで、暖かそうなパジャマは何かないかと探してみたら、日本にはダブルガーゼ、あるいはトリプルガーゼという、薄いガーゼが重なった素材でできたパジャマがあるということを知りました。
さて、そろそろ秋も始まるという時期、出向いた先の近くのパジャマ専門店に、トリプルガーゼのパジャマがあるということで、実物を見に行ってみることにしました。
店内に入ってみると、そこには私が探していたトリプルガーゼのパジャマが数点並んでいました。けれども、ぱっと見た瞬間、私が買うようなものはない、と感じました。理由はその色とデザインです。
並んでいるパジャマの大半が薄いピンク、あるいはベビーピンクで、たまに水色やモーブ。しかもほとんどが花柄あるいは何かの柄物で、おまけに丸襟です。要するに、かわいい雰囲気のものばかりなのです。
どれだけそれが暖かいとしても、ベビーピンクの柄で丸襟のかわいいパジャマを私は着たくないのです。
しかし寒さ対策は必要です。必要優先なら、色や柄、襟の形がどうこう言っていないで、おとなしくそれを買って着るのが筋でしょう。しかし私の心は「それは着たくない!好きじゃない!」と言っています。
さて、ここでどうするかが問題です。必要を優先させるか、自分の好みを優先させるか、です。