一方的に被害者という意識ではなく、冷静に見る必要がある
――では水上さん自身は、今このタイミングで、この映画を公開することに、どんな意義があると考えますか?
水上「歴史学者の方も言っていることですが、歴史上の戦争において、被害者と加害者がはっきりと分かれているものってほとんどないそうなんです。日本は被爆国だけれど、日本がしてきたことはあまり教育されてこなかったとも思います。僕らは戦争を知らない世代だからこそ、一方的に被害者という意識ではなく、冷静に見る必要があるんじゃないかなと。この先にまた戦争という悲劇が生まれないように。
だから、この映画をきっかけに、僕たちの世代もですが、さらに若い世代の子が、戦争ってなんだろうと、考えるきっかけになればいいなと思います。この映画に関しては日本の与えてきた暴力については描いていませんけど、百合と彰の愛の形を観たことをきっかけにして、そういった史実を知りたいと思えるようになってくれたらいいなと思っています」
小さな頃から、体が向いているベクトルがはっきりしていた
――今回演じた彰はとても達観した青年に映りましたが、水上さん自身は小さなころからどんな性格だと自分自身で思いますか?
水上「大人になってきて、だいぶ分別というか、常識がついてきましたけど、小さい頃から、喋り自体は下手なんだけど、思ったことを発することはできる方でした。だから同級生の子たちに比べたら、“意思を発言する”力自体はあって、リーダーとか班長とか、キャプテン、生徒会長といったものは、よくやる機会がありました。
単純に“好き”とか“嫌い”とか、“これ欲しい”とか、そういうことを言える子だったと思うんです。自分はこれをやりたいというベクトルがはっきりしていた子というか。あえて言葉にするなら、意思がはっきりしていた。それがあながち間違ってもいなかったので、リーダーといった責任のある立場を任されることが多かったのだと思います」