突然の改名から1年が過ぎた人気俳優「この職業で本当に良かったな」と痛感するワケ
自分の世界観を武器にしていくしかない
――ベクトルがはっきりしていたということですが、途中で悩んで立ち止まったりは。
水上「もちろん常に悩みはあります。それこそ今も。たとえば『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』の演技にしても、これでいいのかな、ああかな、こうかなと永遠に考えます。でも、悩んだ芝居のままでいいのならいいんですけど、彰は悩んでいない、というか、悩んでいるかもしれないけれど、悩んでいるところを見せない青年なので、悩んでいる僕の体はいらないんだという結論を出し前に進みます。
つまり、そのときにできることを全力でやっていくしかない。それこそ自分の世界観を武器にしていくしかないんです。それで勝負して、それを評価してもらわないと、長い目で見て生き残れないと思っています」
――ちなみに、小さなころから「嫌だ」「これがしたい」といった意思表示ができたというのは、そうしやすい環境にあったのでしょうか。
水上「特に父親から“お前はどうしたいんだ”とは、よく聞かれました。あと、幼少期から、憧れる人や、周囲で評価されている人たちは、自分の意見をきちんと言える生き方をしています。その良し悪し以前に、単純に、そうできなかったら淘汰されている。野球で例えるなら、レギュラーを勝ち取るためには、技術はへたくそでもまずは声を出していかないといけない、みたいなところがあったと思います」
きっと僕は、この仕事じゃなかったら、結構面倒くさい人
望月ふみ
70年代生まれのライター。ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画系を軸にエンタメネタを執筆。現在はインタビューを中心に活動中。@mochi_fumi
(C) 2023「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」製作委員会
『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』は全国公開中
公式サイト https://movies.shochiku.co.jp/ano-hana-movie/
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