乳がん治療におびえていた私が救われた、ある女性が“笑いながら放った一言”
2016年、42歳のクリスマスイブに突如乳がん宣告。(ステージⅡB)。青天の霹靂だった「がん宣告」から約1年間、泣いたり笑ったり怒涛の日々を駆け抜けた、私のがん治療ドキュメンタリーを連載でお届けしています。
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今回は、乳房摘出手術を受けた後、抗がん剤への不安が高まっていた頃のお話です。
※医師やアピアランス支援センターのスタッフさんの発言は私の病状等を踏まえてのものであり、すべての患者さんに当てはまるものではありません。
地獄のスパルタリハビリで、なんとか歩けるようになったわたし。歩き方さえマスターすれば、院内を自由に歩けます。
予定されている入院は10日間。術後2日目くらいまでは、術後の痛みもあり、全身麻酔が抜けきらないような状態。ベッドで本を読みながらうとうと寝てしまったり、麻酔からくる頭痛もあったりしましたが、徐々に動けるようになると、ずいぶんとラクになりました。
傷の状態を見てシャワーの許可も出ましたが、まだ術後で腕が上がらないのでシャンプーができません。どうしたものかと病院内にある美容室に問い合わせると、シャンプーだけお願いできるとのこと。
手術の日からお風呂に入れていなかったので、美容室でシャンプーしてもらっただけで生き返ったような気持ちに。なんだか優雅な気分で、がぜん元気が出ました。
術後の患部の痛みはあれど、日に日に収まっていくのが分かり、毎朝の回診でも「順調」とのことで、あとは傷がふさがるのを待つのみという感じです。
身体の痛みは、日々少しずつ良くなっていきましたが、毎日痛くなる場所が変わって不思議な感覚でした。特にリンパ節を取られた部分の違和感は今でも覚えています。
ちなみにリンパ節とは、全身の組織から集まったリンパ液が流れるリンパ管の“交差点”のような場所。ここに転移があると、身体中にがん細胞をまき散らしてしまう可能性があるとのことで、リンパ節転移があったわたしは手術時に切除されました。
急にリンパ節を切除したので、リンパ液の行き場がなくなります。その溢れたリンパ液を取り除くため、手術時に身体に管を挿入され、リンパ液を溜めるポシェットのようなものを装着させられていました。
入院中はいつもそのポシェットをぶら下げて歩いていました。どんどんたまるリンパ液、こんなに垂れ流しでいいのだろうかと思いましたが、そのうち自分の身体がなんとかこのリンパの通り道を再建するのだそうです。自分の体液と歩くって、なんだか妙な気分でしたが……。
手術した胸の痛みが少し和らいでくると、切除したリンパ節あたりがグワングワンと動くような感覚が起こりました。
リンパの通り道を切除されたので、きっとわたしの身体が大慌てして、リンパの通り道を再建しているのだろうなと思い、わたしの身体よ、がんばっていい道を再建しておくれ! と陰ながら応援していました(笑)。