乳がん入院中、看護師さんに怒りが湧いてしまった瞬間。“がん友”に励まされ
2016年、42歳のクリスマスイブに突如乳がん宣告。(ステージⅡB)。晴天の霹靂だった「がん宣告」から約1年間、泣いたり笑ったり怒涛の日々を駆け抜けた、私のがん治療ドキュメンタリーを連載でお届けしています。
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今回は、リハビリが始まる手術翌日をふりかえります。
術後すぐから絶対安静で過ごした、しんどい夜が明けました。
朝からさっそく、「今日は歩行まで行きますからね」と看護師さんより予告。術後すぐに始まるリハビリがきついのは、息子を帝王切開で出産したときに経験していただけに、恐ろしい……。
手術後って、しばらく安静にしているイメージがあると思いますが、最近は術後すぐに動いたほうが予後が良いとのことで、傷口ほんとにふさがってるの? という時期から歩き出し、リハビリを開始するのが通常らしいのですが、これが本当に痛いのです!
まずはマッサージャーを取り外し、ほっとしたのもつかの間、次はベッドを徐々に起こしていきます。10度くらい角度をあげたら5分放置、そこからまた10度……と、いきなり上げずにじわじわ上げるとのこと。
せっかちなわたしからすると「面倒くさいから一気にグイっとあげてくれたほうが良いのに」と思いますが、実際にベッドの角度を上げてみて、その理由が分かりました。
当然ですが、地球には重力があります。平らな場所で手術をされ、それからずっと横たわっていたので気づきませんでしたが、ほんの少しベッドが持ち上がるだけでも、傷口に重力がかかってめちゃくちゃ痛いのです!
じわじわ、少しずつ慣らしていかないと無理! 今までの人生で、重力をここまでリアルに感じることもなかったので、宇宙人になった気分でした。
そうやって、重力に慣れながら、ベッドは最大で80度くらいまで上がりました。なぜか90度にはならず、次のハードルはそこから上半身を自力で起こして、ベッドから降りること。
この、ほんの少しの10度を、自力で起こす。これがもう痛くて痛くて悲鳴を上げてしまいます。
なんでベッドは80度までしか上がらないのか。90度にして、すっと身体を起こせるようにしてくれればいいのに!! と、ベッドを恨みました。たぶん理由があるとは思いますが、それどころではありません。
けれど、ここで身体を起こせないと、ベッドから降りることもできません。意を決して「いてぇ!!」と悲鳴をあげながら身体を起こしました。
それだけでつらいので、またベッドに寄りかかりたくなるけど、寄りかかるとまた地獄の痛みで起き上がらなくてはいけないので、仕方なく体を起こしたままキープするしかありません。



