
※イメージです(以下、同じ)
次にそこから自分の足でベッドから降りなくてはいけません。身体を10度傾けるだけで痛いのに、降りるなんて狂気の沙汰。
看護師さんの肩を借りてベッドから降りようとしましたが、腕に力を入れると胸の傷に激痛が走るので、いったいどこに力を入れればよいのか分からない。
とにかく一回ギャーと叫びながら足をつき、よろよろとベッドから降りて立ち上がりました。可愛くはないけれど、ヨロヨロとした立ち方は生まれたての小鹿のよう。
立っているのがやっとなのに、看護師さんは「はい、じゃ立てたんで尿管抜きますね。抜いたら自分でトイレなんで」と塩対応。
今度は、歩いてトイレに行けなんてスパルタすぎる!と、看護師さんに怒りが湧いてしまう余裕のないわたし。単純に、優しくしてほしいなぁと思いました。
やっと立ち上がりましたが、術後すぐで体力もなく、すぐに横になりたくなってしまいます。ベッドに戻ると、またトイレに行くときは自力で起き上がらなくてはならないので嫌でしたが、そんなこと言ってられません。
そのうち、胸や腕の筋肉を使わず、腹筋だけ使えば比較的ラクに起き上がるコツを発見しました。胸に傷がありますが、腹筋は傷ついていないので、ベッドから体を起こすときも腹筋を意識して起き上がり、椅子から立つ瞬間も、腹筋だけで立つ、と意識してやってみたら、意外とうまくいくようになりました。
それでも立つ瞬間の激痛はしんどかったのですが、徐々に慣れてきました。
そんな試行錯誤をしているうちに、夫と小学生の息子、そしてわたしの母が面会に来てくれました。わたしがいた病棟は小学生の入室禁止で、わたしが面会室に行きました。息子はなんだか照れ臭そうにしていましたが、わたしは「再会できた!」という喜びでいっぱい。
けれど術後すぐでも面会室はベッドがなく、座っているのは20分が限界。だんだんフラフラ、クラクラしてきてしまいました。まだ麻酔が抜けきっておらず、頭痛もひどく、体力が戻るまでしばらくかかることをと痛感しました。
一日で、自力でトイレに行くのにだいぶ慣れてきました。