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乳がん治療におびえていた私が救われた、ある女性が“笑いながら放った一言”

末期がんの義母の姿に考えさせられた経験

ベッドに横になるシニア女性 私の抗がん剤のイメージはとても悪くて、実はめちゃくちゃ怖かったのです。数年前、当時80歳を超えていた義母に末期の肺がんが発覚。手術ができずに抗がん剤治療を選択したけれど、会うたびにやせ細っていき、抗がん剤も効かずで結局そのまま1年後に亡くなってしまいました。  いっそのこと抗がん剤治療をせずに、普通の生活をしたままで人生を終えたほうが良いのかも……と考えさせられた経験でした。  まさか自分が抗がん剤を打つことになるとは思っていませんでしたし、抗がん剤治療を提案されたときには、本当に悩みました。納得がいくまで主治医のS先生と相談し、なぜ先生は抗がん剤をすすめるのか、データとしてどれくらいの効果があるのか、身体へのダメージや年齢など、根掘り葉掘り納得いくまで聞き、自分でもたくさん調べました。  抗がん剤は、打てば必ず効くというものでもないのだそうです。わたしのように患部を切除した後だと、がんが小さくなるかどうかさえ目視できません。  見えないほどのがん細胞を根絶するために「念のため除草剤を撒いておく」というイメージなので、抗がん剤が効いているかどうかが検証できない。けれども副作用や身体のダメージはきっちりとある。だからこそ本人が納得いくまで調べ、考え、慎重に治療を選ぶ必要があると思いました。  わたしはあれこれ調べ、それでも総合的に判断して「完治の可能性が少しでも高いほう」を選ぶべく、抗がん剤を決めたのですが、やはり治療に対する恐怖は手術以上でした。  アピアランス支援センターは、そんなわたしの不安を解消してくれる場所だと思いました。  抗がん剤治療が始まっても、用事がなくても、愚痴を言いに来るだけでも寄っていいよと言ってもらい、これからの抗がん剤治療は、ここを心のよりどころにして頑張っていけそうな気がしました。 <文/塩辛いか乃 監修/石田二郎(医療法人永仁会 Seeds Clinic 新宿三丁目)>
塩辛いか乃
世の中の当たり前を疑うアラフィフ主婦ライター。同志社大学文学部英文学科卒。中3繊細マイペース息子と20歳年上の旦那と3人暮らし。乳がんサバイバー(乳房全摘手術・抗がん剤)。趣味はフラメンコ。ラクするための情熱は誰にも負けない効率モンスター。晩酌のお供はイオンのバーリアル。不眠症。note/Twitter:@yukaikayukako 連載「乳がんドタバタ日記」Kindleで発売中!
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