中年男性に「子どもちゃんと見てなさいよ」と注意され…43歳女優の“真実味のある反応”がスゴすぎる
もっとも複雑な内面を持ったひとり
あるいは、自分が知らないうちにグループ全体がひとつの方向性へ向けて団結してしまっていることなども、3人以上の組になるのを避けたい理由かもしれない。楽しいことは楽しいけれど、あの5人組の時間は居心地がいいものではなかった。
美鳥が確認するのが、グループLINEではなく、椿、夜々、紅葉それぞれとの個人LINEであることも象徴的だ。ゆくえも含めれば、心地よい2人組を合計4つも持っている美鳥。
世間に対する違和感を抱き続けてきた主要登場人物の内、実は美鳥こそもっとも複雑な内面を持ったひとりなのだろう。ゆくえに見送られた美鳥は、果たして東京に戻ってくるのだろうか?
真実味を持つ田中麗奈の表情
複雑な内面から人間の本質を開いてみせるのは、全編を通じて多部未華子の役割かと思っていたのだが、意外と田中麗奈だった。それがクライマックスを迎えつつある第10話でじんわりにじむのがいい。
空港で間違われたときの田中の表情は、すこし気が抜けているが、それだけに真実味を持っていると思う。人間ってこんなことばっかだよな。かと言って捨てたもんでもないな。というように、すこしだけ背中を押してくれるような表情。
思えば、田中が18歳ながら有力賞を数々受賞した主演作『がんばっていきまっしょい』(1998年)でも、全校生徒の中で周りをキョロキョロ見回す場面など、個人対複数での印象的な表情が際立っていた。
| | 『いちばんすきな花 シナリオブック 完全版(上)』 「男女の間に、友情は成立しますか?」フジテレビ系木曜10時ドラマに共感の声が続々! SNSで話題沸騰! いちばん「語りたくなるドラマ」のシナリオブック完全版。多部未華子、松下洸平、今田美桜、神尾楓珠 主演!『silent』の村瀬健プロデューサー×脚本・生方美久が“クアトロ主演”という新しいスタイルで描く、年齢も性別も過ごした環境も違う4人の友情と愛情の物語。 |
この特集の前回記事



