水着キャンペーンガール出身の47歳女優が“日本一の役者”だと言い切れる理由
誰しも魅せられてしまう俳優がいる。井川遥ほど神秘的な存在は他にいないだろう。
井川遥は、一番好きな俳優である。嘘いつわりなく、やや語気を強めながら断言できる。いやいや、筆者個人の趣味嗜好とは関係なく、井川遥は日本一の俳優であること間違いなしだ。
疑いの余地はない。世界の映画祭で高く評価された青山真治監督作『東京公園』(2011年)で井川を見たときの衝撃は忘れられない。あの透き通った存在感。現実と虚構すれすれを行き来するような美そのもの。
画面に釘付けになった。青山監督が完璧なサイズ感でフレームにおさめようとする井川を見て以来、この人を下手な役柄で扱うことだけはやめてほしいと願うようになった。
そんな神秘が現実的な力強さとして描かれたのが、12月17日に最終回を迎えた鈴木亮平主演の『下剋上球児』(TBS)だ。井川扮する自立した妻役が好評だった。 「イケメンとドラマ」をこよなく愛するコラムニスト・加賀谷健が、日本一の俳優だと太鼓判を押す井川遥を語り尽くす。
間違いなく日本一の俳優
ほんとうの意味で国民的
というわけで、井川が演じるキャラクターがとにかく気になるようになってしまった。『東京公園』で彼女が演じたのは、東京中をベビーカーを押して歩く不思議な女性だった。 あの役を超えるものはないくらい心地よい空気感。きっとベビーカーの中で揺られていたのは、日本国民全員だったのではないかとさえ想像してしまう。サントリー角ハイボールのCMでは、カメラ目線でハイボールを作ってくれる。あれも全国民に向けた温かな眼差しではないだろうか。 ほんとうの意味で国民的な俳優とは、ずばり彼女のような存在のことである。冒頭で井川を日本一の俳優と断言したのは、要するに映画やCM作品で印象付けられた圧倒的なイメージのためだ。
この連載の前回記事


