「コスプレ感がヒドい…」酷評されてる実写版『幽☆遊☆白書』を10倍楽しむコツ
実写ドラマ版『幽☆遊☆白書』がNetflixで配信中だ。
原作は1990年から1994年にかけて連載された超大ヒット漫画。それから約30年の時を経ての今回の実写ドラマは大きく注目を集めており、Netflixの公式ランキンググローバルTOP10(非英語シリーズ)の週間ランキングで初登場1位となった。
ただ、日本ではやや賛否が分かれている。悪いところと良いところがはっきりとしており、どちらのほうをより大きく捉えるかにより、評価が変わるだろう。
ここでは、筆者の独断と偏見により、まず批判を受けている箇所を記しつつ、「ここに注目すれば評価が上がるかもしれない」ポイントもあげていこう。
※以下、サプライズ的な要素を一部避けつつ、実写ドラマ『幽☆遊☆白書』の内容に触れています。
実写ドラマ『幽☆遊☆白書』の批判で目立つのは、やはり「コスプレ感」。
たとえば、主人公の幽助やヒロインの螢子が着ている制服は鮮やかな緑で、ライバルキャラの桑原が青と、キャラクターを文字通りに色分けしているのだが、おかげで悪い意味での非現実感が際立ってしまっている。
蔵馬や飛影も原作を再現「しすぎている」印象で、ビジュアルの発表時からSNSではブーイングの嵐。本編を観ても、残念ながら違和感は拭えなかった。
「2.5次元」の舞台であれば極端に原作を再現した衣装も「そういうもの」として許容できるが、実写映像作品では「そこにある」と信じられる世界やキャラクターが重要となるため、拒否感を持ってしまう。
ぼたんも、やはり漫画を再現しすぎている鮮やかな髪色と和服、おどけた言動も悪目立ちしているように思えた。コエンマの「おしゃぶり」まで再現したことも、賛否を呼ぶポイントだろう。
さらに、酷評されても致し方がないと思うのは蔵馬の「変身後」の姿のクオリティー。
「この姿には二度と戻りたくなかったんだがな」というセリフは、「これは確かに戻らないほうが良かったのでは…」と思うこちらの気持ちをメタフィクション的に示してくれたかのようだった。
ちなみに、原作での蔵馬は、「まさかまた…この姿に戻れる日がくるとは…」と真逆のセリフを口にしていた。そちらとはシチュエーションそのものが異なるとはいえ、原作ファンからは「蔵馬はそんなこと言わない」などと批判の声があがっている。
北村匠海、上杉柊平、志尊淳、本郷奏多、白石聖、古川琴音、町田啓太と、主要キャストは求められた仕事に対しベストを尽くしていると思えたからこそ、コスプレ感や不自然さをもう少し抑えた衣装にできなかったかと、より思えてしまうのは残念だった。