
世界一の楽しさが約束された場所でぼくらはいったい何を目撃したのだろう。『“JSB LAND”』公演序盤のちょうど折り返し。イケメンだけど三枚目キャラも担当する山下健二郎仕切りで「山フェス」が始まった(やっぱ健二郎さんが一番カッコいいんだよ……)。
関西人のとびきり愉快なMC術を堪能している間もなく、「FIGHTERS」で小林がギタープレイを繰り出してきてびっくり。

AbemaTVで11月4日に放送された特別企画『密着36時間 三代目JSBを2日間 自由にさせてみた』では、ポロンポロンとアコスティックギターで「夜空ノムコウ」のコードを弾いていたっけ。それが布袋寅泰ばりのジャカジャカ爆音で掻き鳴らされるものだから、もうひっくり返るかと。「みんなの夢が叶う場所がある。三代目には」と彼が言うのは確かだ。
リーダーNAOTOも相変わらず観客席を仰ぎ見る表情の威厳と人懐っこさで一家の大黒柱感が強め。ツインボーカルの今市とØMIは、それぞれ「Best Friend’s Girl」と「東京」でザ・ベストなボーカルフロー。

ØMIの「私が綺麗じゃないってことは 誰より私が知ってるから」のフレージングは個人的に激しく萌えポイントだったことも特筆しておきたい。

そして忘れちゃいけない、岩ちゃんこと岩田剛典。「SCARLET」の「心のままに 今すべてが 鮮やかな愛に変わる」のフレーズで、振り付けとして手を胸に持っていきハートを作る。
今日はこれを見に来たのかと思うくらいジンときた。どうもこの末っ子メンバー、今回のツアーは特にはっちゃけていたように思う。
先ほどのAbemaTV番組で岩田が言っていた「イキきる」との宣言がここでくるのか……。ツアーのクライマックス、兄貴分EXILEの目玉カバー「24karats」では、岩ちゃんが脱いだのをきっかけに、NAOTOさん、隆二さん、そしてメインステージに上がったタイミングでØMIくんが情熱的に……。

悲鳴に近い黄色い声が会場全体に轟いたのが一番のハイライトだった。2023年の三代目JSBは間違いなくイキきったわけだが、これだけのサプライズ攻撃をされると、これはもしやMATEが推しから推される“逆推し”(!?)だったのではとさえ思ってしまう。
<文/加賀谷健>
加賀谷健
コラムニスト/アジア映画配給・宣伝プロデューサー/クラシック音楽監修
俳優の演技を独自視点で分析する“イケメン・サーチャー”として「イケメン研究」をテーマにコラムを多数執筆。 CMや映画のクラシック音楽監修、 ドラマ脚本のプロットライター他、2025年からアジア映画配給と宣伝プロデュース。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業 X:
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