孤独死現場で働く元アパレル店員の28歳女性「体液がドロドロに染みた部屋には慣れてきた」
異臭を放つゴミ屋敷、死臭もただよう家主亡きあとの住宅など、過酷な環境下での作業へ励む特殊清掃業の人びと。東京都大田区が拠点の清掃会社、株式会社ブルークリーンで働く長嶋祥子さん(28歳)もその1人です。
実際の現場では、依頼主から「女の子が来たんだ……」と心ない反応をされることもあるそう。それでもなお、仕事へのやりがいを見出す長嶋さんに過去のキャリア、現場での体験などを聞きました。
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入社3年目、当初は清掃現場へ出ない事務職だった長嶋さん。2023年夏の異動を機に、営業職としてゴミ屋敷や家主が孤独死した現場などへ、足を運ぶようになったといいます。
「今は、清掃作業前に現地調査をして、依頼主さんに立ち会ってもらいながら作業の見積もりを取るのが主な仕事です。入社以前はアパレルブランド、医療事務でそれぞれ約3年働いていました。
アパレルブランドでは1日中走り回るほど慌ただしく、落ち着いたルーティンワークを求めて医療事務へ転職しましたが、物足りなくなってしまって……。ほどよく慌ただしく、事務職のスキルアップに繋がればと思って、今の会社に転職しました。最初は、現場に出るとは思っていなかったので特殊清掃という業界についてもあまり深くは考えていませんでした」
現場へ向かう営業職への異動後は、生活も変化。新たなやりがいも生まれているそうです。
「現場を経験しないと分からないこともあると思い、自分で異動願いを出したんです。以前の職場では正直『最低限、生活できるお金だけ稼げれば』程度のモチベーションでしたが、お客さんからの電話を受けたら飛んでいく働き方が新鮮で、刺激的だし、自分がそんな働き方をできるとは思っていなかったです」
実際、仕事内容はどのようなものか。そのお話からは長嶋さんの慌ただしさ、過酷な清掃現場、特殊清掃現場ならではの実態も垣間見えます。
「問い合わせをいただいたら、電話で依頼者の方と日程をすり合わせます。その後、現地調査として依頼者の方の立ち会いのもと、室内の状況を確認します。特に、特殊清掃現場の場合にはご遺体が発見されてから急を要するので、時間との勝負でもあるんです。作業内容を細かく算定するために、床に体液がどれほど染み込んでいるかなどをじかに目で見て確認します」