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孤独死現場で働く元アパレル店員の28歳女性「体液がドロドロに染みた部屋には慣れてきた」

依頼者に「心を開いてもらえるとうれしい」

 さまざまな依頼者と向き合う長嶋さん。医療事務として働いていた時代、高齢者と接していた経験は今でも役立っているといいます。 「ゴミ屋敷の清掃などでは同世代の依頼者の方も多いですが、孤独死を迎えた方のご遺族は高齢の方も多く、過去の経験が生きていると思います。営業職としては、清掃や特殊清掃となるとネガティブなイメージもあるのか、なかなか信頼関係を築けないお客さんもいるんです。  ただ、コミュニケーションを図れるようになるまでの時間がかかる方でも、心を開いてくだるとうれしいです。ふと『じつは、生前の息子は……』など、本心を明かしてくださるような変化に、仕事のやりがいを感じています」

「女の子が来たんだ…」とガッカリされることも

長嶋祥子さん シェアハウスで生活する長嶋さんの仕事は、シェアメイトも興味を寄せるほど。ただ、「興味を持ってくれる方も多い」と実感する一方、実際の現場では、心ない言葉も浴びるそうです。 「特殊清掃では体液が染み付いているなどの理由で、建物自体を新たに施工する必要があるんです。その見積もりを取るための現地調査で『女の子が来たんだ…』とガッカリされる方もいました。初対面の名刺交換で同じように、つぶやかれたこともあります。  施工する職人さんは男性という先入観もあるでしょうし、仕方ないとは思いつつも正直、嫌ですね。そうしたお客さんが相手のときは、業界用語をいろいろと使ってみたり、あえて『すみません。女性で』と返します。反対に、訪問時に『これ飲みな』とペットボトルの飲み物をくださったり、娘のように心を許してくださるお客さんだとホッとします」
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遺族と大家の間に挟まれる苦労も
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