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山﨑賢人が背負う“実写化俳優”としての宿命。少女マンガ原作モノから肉体改造を経て

実写化俳優の宿命を物語る

映画「ゴールデンカムイ」 王子から戦士へ。天上天下唯我独尊。間違いなく無双状態。するとどうだろう、『ゴールデンカムイ』では見た目もだいぶたくましくなった印象を与える。何せ身体がひと回り大きくなっている。  そりゃ、明治期を生きた元帝国陸軍軍人にして、あれだけ殺した戦士としての説得力をもたせなければならないのだ。相当な覚悟で肉体改造にも励んだのだろう。佐一が温泉につかる場面は単なるサービスショットを超えている。  風呂からざぶっと上がり、雄々しいふくらはぎが映る。次のカットでは、ギリシア神話の神々と見紛う肉体美で圧倒してくる。上半身から顔までいたるところに刻まれた傷が実写化俳優としての誇りと勲章のように映る。  壮麗にして壮観。次から次へと展開するアクションシーンもお手の物。アイヌ料理に舌鼓をうつ軽妙さも上品なケレン味か。  冒頭に引用した台詞の後、アイヌの娘・アシㇼパ(山田杏奈)が、「それがお前の役目のはずだ」と言う。山﨑賢人の俳優人生を確固たる現在地点から追想する本作そのものが、実写化俳優の宿命を物語っている。 <文/加賀谷健>
加賀谷健
コラムニスト/アジア映画配給・宣伝プロデューサー/クラシック音楽監修 俳優の演技を独自視点で分析する“イケメン・サーチャー”として「イケメン研究」をテーマにコラムを多数執筆。 CMや映画のクラシック音楽監修、 ドラマ脚本のプロットライター他、2025年からアジア映画配給と宣伝プロデュース。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業 X:@1895cu
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