生きる目的がどこにあるのかわからなくて、でも死ぬわけにはいかないから、私達はいつだって必死です。
「本当にこれがやりたい?」と自問自答しつつ、スカイダイビングや断食道場や友達レンタルや滝行などに手を出し、自虐的に苦笑いするタワシさんに、私達は生きる気力をもらうのです。
「孟子(もうし)が2体で孟子2体(もう死にたい)」とギャグを飛ばし、「死にたい」という思いを「生きたい」に転じた行動力と勇気。
寝ても起きても、死からは逃れられない。だったら、ひとりでもいいから派手に弾(はじ)けてみよう。生きる希望なし、気力なし、孤独上等。
体験する中で、「ああしたい、こうしたい」という欲求が芽を出しはじめたタワシさん。相変わらず生きるのがしんどい瞬間はあるけれど、生きててよかったと思うこともある。
焦らず、こだわらず、自分のリズムやペースで、「生きる」を楽しむ。読んで腑(ふ)に落ちる、心のリハビリ。あなたも本書と一緒に「やりたいこと」を消化していきませんか。
<文/森美樹>
森美樹
小説家、タロット占い師。第12回「R-18文学賞」読者賞受賞。同作を含む『
主婦病』(新潮社)、『私の裸』、『
母親病』(新潮社)、『
神様たち』(光文社)、『わたしのいけない世界』(祥伝社)を上梓。東京タワーにてタロット占い鑑定を行っている。
X:@morimikixxx