NHKドラマで「山下智久の中学生時代」を演じた19歳俳優が話題。顔が似てるだけじゃない“再現力”
現在の山下の真骨頂を再現
第5話冒頭の回想場面を見てみる。足が一番遅いのにリレーの選手になってしまった梅村。「おい、誰だよ悪口言ってんの」というはつらつとした財地(高野陽向)の一声に、クラス全員が注目する。歩み出た彼はまるで正義のヒーローのように彼女をかばう。正直すぎるが故に潔く、カッコいい。 嘘八百でトップセールを誇っていたものの、人知を超えた力によって正直営業に様変わりした財地だったが、もともとが正直者だったのだ。悪戦苦闘しながらもいつしか正直スタイルが板についてくる。 この変化をとにかく軽妙に演じる山下にとって、これは紛れもない新境地だった。クールなイメージが強い山Pがうわずった声であえてクールなトーンをおさえる。 これが絶妙にコミカルなスタイルの演技になっているのだが、高野もまたこのトーンを再現することに心血を注ぐ。腹に重心を置いて台詞の一字一句をハキハキ発しながら、ぶれないトーンを保つ。 必ずしも山下の若い頃に似ているとか寄せるとかでなく、むしろ現在の山下の真骨頂を再現することに徹したことに勝算があったんじゃないだろうか。
納得のサイレント出演
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