小池徹平“ヘンタイ不倫男”の悪魔的所業に絶句。最恐ホラー『エクソシスト』オマージュの可能性も
これはもはや単なる不倫ドラマなんかじゃない。そう思わせるくらい恐るべき闇の力が秘められているのだとすると、これは……。
毎週土曜日よる11時30分から放送されている『離婚しない男-去れ夫と悪嫁の騙し愛-』(テレビ朝日)で、最低最悪の不倫男に扮する小池徹平を見てくれ。あの血走った目を!
イケメン俳優の探求をライフワークとする“イケメンサーチャー”こと、コラムニストの加賀谷健が、本作を“テレビドラマ史上もっとも危険な不倫ドラマ”だとする理由とは?
「この家で綾香に会えるなんて……」
娘・岡谷心寧(磯村アメリ)の子役事務所マネージャーにして最強最悪の不倫相手・司馬マサト(小池徹平)がささやく。
「この家」が意味するのは、夫・岡谷渉(伊藤淳史)と暮すマンションの一室であるばかりか、岡谷綾香(篠田麻里子)の身体の中そのもの。なんと淫靡でふしだらなこと。
白昼堂々、人の家に上がり込んで情事にふける様子は暴虐が過ぎる。しかもこの場をさらに混沌とさせているのは、綾香とマサトが不貞に及ぶソファの下で、親権獲得の証拠をおさえるためにカメラを持った渉が、隠れているから。
ソファの上と下。異界と現実。ソファ上のふたりはもはや人にあらず……。渉を助っ人する探偵・三砂裕(佐藤大樹)も「君の上にいるのは人じゃない、鬼だ」と言っている。鬼だとするなら、この不倫ドラマには陰陽師が必要か?
単なる邪鬼なら、陰陽師で成敗できるだろう。でも本作の邪悪さはもはや不倫という次元を超えているように思う。ソファ上で綾香に覆いかぶさるマサトは、カッと開いた目で彼女を誘惑し、煽る。
この目、鬼の目じゃない。西洋の悪鬼、悪魔のそれじゃないか。それも相当上のランクに位置づけられる悪魔。人間の心をもて遊び、本能の深いところをダイレクトに刺激する。
そのために性愛的な欲望を利用するのは、悪魔の常套手段。なるほど、すると岡谷夫婦は不倫の悪魔に取り憑かれていることになる。ソファの下でふるえる渉は、頼りない神父といった感じか。
ソファの上下は“異界と現実”
人間の心をもて遊ぶ悪魔
