
※イメージです(以下、同じ)
――ADHDの困りごとの対策として、普段からやっていることはありますか?
はなゆい:私はADHDの特性の1つである「衝動性」があるので、「やりたい」と思ったことを衝動的にやって失敗することがあります。それを止めるために実践している方法があります。
私の場合は、衝動が起きているときに頭の中で、「その行為をしている自分」を想像しているんです。想像することで、「やりたい!」という気持ちが強くなり自分を止められなくなるのだと思います。だから、逆に「衝動を止めている自分」を想像すると、止められる可能性が高いということに気づきました。
例えば、仕事があるのに「スマホを見たい」という気持ちが止められない場合は、「スマホを見ずに仕事をしている自分」を頭の中でイメージすると止められることが多いです。
――ADHDの「過集中(やりたいと感じたことをやり続けてしまうこと)」の対策としては、どんな対策が最も効果がありましたか?
はなゆい:のめり込んではいけないときに、「自分は夢中になるとやめられなくなる体質である」と認識することが一番効果があります。慎重になるというか、「気をつけろ~気をつけろ~」と言いながらグラグラする橋を渡っているような感覚です。心の中で念じる時もありますが、家では声に出して言ってます。
――仕事関係では、どんな対策をしていますか?
はなゆい:一番気にしてるのはメールの文面です。失礼がないか、伝わる文面になっているか、日付は間違っていないかなどはいつもドキドキしています。印刷して、紙で確認して、それでも心配な時は夫に確認してもらっています。
第三者に話したり見せたりすると自分でも気づけることが多いので、不安なことは一人で抱え込まないことが大事だと思っています。
――「探し物が苦手」という困りごとについて、「白いものが見つけにくいため、よく使うものは色付きにする」という対策が新鮮でした。現在もこの対策を続けているのでしょうか?
はなゆい:私はよく使うものではなく、「よく失くすもの」を目立つ色にしています。そのため、自分の日常を観察するのが大事だと思います。どんな時にどんな物を失くしやすいのかを把握するのが重要なんです。
そこから、「どうやったら発見しやすくなるか」を考えます。そのため、すべてのものに色を付けることで対策するわけではなく、音で分かるようにしたり、置き場所を工夫したり、物によって対策はさまざまです。
――記憶の整理が苦手なために「似たように感じるものを勘違いしてしまう」と描かれていました。そのことで失敗したことはありますか?
はなゆい:子どもが通っている幼稚園は園児たちが下の名前で呼び合ってるのですが、似てる名前が多いので、「〇〇ちゃんママ」と呼ぶ際に名前を間違えてしまいます。「一度間違えたら黄色信号、2回やったらもうアウト!」だと思っているので、黄色信号が点灯したら、名前を呼べなくなってしまうんです。
そのため主語が抜けたまま会話をして、相手を混乱させたり、意図したことが伝わらなかったりします。それでも間違えるのを恐れて呼びかけられないので、ずっと話したいことが話せないままになっていることがあります……。