現代人の疲れを解決するために生まれた「ピルクル ミラクルケア」

大ヒットになった「ピルクル ミラクルケア」
それでは現在大ヒットになっている「ピルクル ミラクルケア」は何がちがうのでしょうか? その答えは、機能性表示が「ピルクル400」とは違い、「睡眠の質を改善し、日常生活の疲労感を軽減する」という点にあります。
一見、2022年に流行りはじめた睡眠改善ブームに急いで乗った商品かと思いきや、なんと発売3年前の2019年から着想がはじまっていたそう。
「当時ある調査で『成人の約8割が疲れいる』(※1)、『特に30~40代の疲労改善意識が高い』(※2)というデータがありました。そこで現代人の疲労を解決できるような商品開発をしたいと着想し、研究がはじまりました。私たちは「脳腸相関(※3)」のメカニズムに着目して、腸内環境改善と、疲労感の軽減を目指し、きちんとエビデンスを提示できるように時間をかけてヒト試験を行いました。その流れの中で“睡眠の質”にフォーカスしていったというのが実情です」
※1…「日本の疲労状況2021」(一般社団法人日本リカバリー協会)
※2…「健康ニーズ基本調査2021」(株式会社日本能率協会総合研究所)
※3脳腸相関…脳と腸の状態がお互いに密接に影響を及ぼし合う現象のこと
機能性だけでは売れない時代。「安さ」を強調する勇気を出した

「パッケージの色、カロリー、そして価格にもこだわっています」と話す犬飼さん
そうは言っても今の時代、機能性を掲げる飲料はどの店でもたくさん並んでいます。そこで考えたのが、「価格面での優位性」だったそう。
「ピルクルミラクルケアは、続けていただくことが大切と考えています。無理なく継続していただくために1本当たりのカロリーを抑え、スッキリとした味わいにしました。更に継続のために重要なのは、やっぱり『価格」であると考えました。多くの人は、価格が高いと続けるのは難しいと思うのです。しかしながら、弊社としても業界的にも『安さ』をアピールした広告戦略はほとんどありませんでしたから、言い出すためには大きな勇気が必要でした」
2023年に放送し、錦鯉を起用したユニークなCMでの「睡眠と疲労感をケア。しかも安い!」というフレーズ、心に残っている人は少なくないかもしれません。
ここで計算をしてみると、私の近所のスーパーで売られている「ピルクル ミラクルケア」は1本あたり47円(税込)。某ライバル商品は140円でした。この圧倒的な安さには正直驚きを隠せませんでした。
日清ヨーク公式サイトに掲載されている臨床試験の結果によると、4週間で睡眠スコアに有意な差が出ているようです。そこで4週間飲み続けるとして計算すると、1316円になります。
価格以外にも、1本(65ml)27キロカロリーというヘルシーさを意識したこと。従来は、赤カラーが多かった乳酸菌飲料売り場で、パッケージのカラーを目に留まる高級感のある濃紺にするなど、さまざまな試行錯誤を重ねて誕生したそうです。
国民の可処分所得が下がっている時代に、機能と共に発信する「しかも安い!」というメッセージは想像以上に心に響くメッセージなのかもしれません。
もちろんこれらのピルクルシリーズは医薬品ではないため、私達それぞれが適切な選択をすることは重要です。
とにかく現代人の疲れが癒され、多くの人が安心して眠れる時代になりますように……。
<取材・文・撮影/食文化研究家 スギアカツキ>