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母の再婚相手から性被害、小5女子が「汚されている」と感じても“母に相談できなかった”理由

被害に遭っても「自分が悪い」と思わないで

魚田コットン『スカートの呪いが解けるまで 幼少期からの性被害が原因で女らしさ恐怖症になった私』(はちみつコミックエッセイ)

魚田コットン『スカートの呪いが解けるまで 幼少期からの性被害が原因で女らしさ恐怖症になった私』(はちみつコミックエッセイ)

――「男性が怖い」という感覚は今でもありますか? 魚田:今はなくなってきたと思います。歳を重ねたということもありますし、今は「もし性被害にあったらこうしたらいい」という知識があるので漠然とした恐怖を覚えなくてもよくなったのだと思います。  昔は男の人がすごく怖くて、強くて大きい存在だと思っていたけど、結婚して人生経験を積む中で「そんなことはない」と気づいたというのもあります。 ――性被害やセクハラに関して、世の中で誤解されていると感じることはありますか? 魚田:一般的に、すごくか弱い人が性被害にあっているイメージや、被害者は明るく元気にしていてはダメみたいな偏見があると思います。  以前、痴漢を撃退した女性が駅員さんに犯人を突き出したら、「それだけ自分で反撃できるなら訴えなくてもいいよね」と言われたという話をSNSで見ました。被害者の態度と、性被害の事実は全く別物だと理解してほしいなと思います。

芸能界でも多い性被害の報道

――最近、芸能界を中心に性加害に関する報道が多いですが、どう感じますか? 魚田:性加害に対して無理解な人もまだ多いと感じることもありますが、性加害がよくないこととして報道されるのは、良い時代になってきたんだなと感じます。 ――親子関係で辛い思いをしている人はどんな対処をすればいいと思いますか? 魚田:親は結局はただの人間なので、「許せない」と思うならそのままでいいと思います。  絶縁までしなくても、自分がちょうどいいと思える距離感を探してみてはどうでしょうか。距離を取ることを親不孝だと思わなくてもいいと思います。  私は読者の方から「なぜこんな親と絶縁しないんだ」とよく言われるのですが、親子の縁を切るのは簡単ではないし、そこに労力を使いたくないと思っています。 ――性被害に苦しんでいる人に対して、メッセージをお願いします。 魚田:性被害にあうと「自分が悪い」と思ってしまいがちですが、絶対に自分は悪くないと思ってほしいです。  もし「誰かに話したい」「訴えたい」と思うなら、話を聞いてくれる人は必ずどこかにいます。学校に通っているなら、保健室の先生やスクールカウンセラーの先生など、「この人になら言えるかも」と思える人に勇気を出して言ってみてほしいです。  もし嫌な対応をされたら、その大人がたまたまダメだっただけで、どこかにちゃんと応えてくれる人がいます。「言っても無駄なんだ」と思い込まず、力になってくれる人を探してほしいと思います。 <取材・文/都田ミツコ>
都田ミツコ
ライター、編集者。1982年生まれ。編集プロダクション勤務を経てフリーランスに。主に子育て、教育、女性のキャリア、などをテーマに企業や専門家、著名人インタビューを行う。「日経xwoman」「女子SPA!」「東洋経済オンライン」などで執筆。
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