裕が裏切り者であることにいち早く気づいたのは、財田だった。渉が梅比にハニートラップにあったホテル前で待機していた裕につめよる。マサトから脅されて仕方なく……。とその場を切り抜けようとするが、怪しい。
裕は脅されてなんかいない。むしろ率先して協力している。渉と財田が弁護士事務所で話し込む隙をついて、オフィス外で電話をかける裕。相手は、もちろんマサトだ。
電話口のマサトに対して「先輩」と呼びかける。先輩? 意外な響きが、ふたりを同類、あるいは同じ穴のムジナ確定の決定的証拠となる。裕のあの異常な目は、悪魔的に目を血走らせるマサト譲りということ。

ここまで目まぐるしい勢いで、次から次へとドラマが二転三転し、展開してきた。最終章に突入した第8話ともなると、さらなる展開へ加速の勢いはとまらない。同類のふたりが、暴走機関車と化すのか。
マサトの子を妊娠したことを告げるため、綾香が久しぶりにマサトのいる事務所を訪ねる。すると、またまた新キャラ登場。事務所社長・大洗美子(観月ありさ)が、シンガポールから帰ってきた。触れた相手に電撃を走らせるびりびりラケットを手にマサトを尋問する。
尋問しながら、大洗はマサトを「ドすけべなカメムシが!!」と罵る。なんでカメムシなのかは、よくわからないが、所かまわずに悪の香りを撒き散らしてきた害虫的存在感に対して、「カメムシ」とはうまく命名してくれたものだ。