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収録現場で見た岩田剛典の“ありのままの姿”。2ndアルバム映像で聞き手を務めた筆者の独占レポ

雰囲気を和ませる救いの一言

岩田剛典 だって聴き手のぼくの目の前には、当たり前だけれど、収録中ずっと岩ちゃんがいることになるのだ。スーパースターを前に、そんな緊張をこちらはお首にも出しちゃいけない(と、今ここで書いてしまうと、全てが明るみに……)。命がけの一発勝負。  苦し紛れのアイスブレイクとして、ぼくはいかに岩田さんのファンであり、岩田剛典研究をライフワークとしてきたかを素直に打ち明けることにした。2023年に岩田さんについて連載したコラム本数(実に21本!)を数え上げ、「MATE」(三代目JSBファンの呼称)を自称することもいとわない。  あぁ、これはすこし気張ってしまったかなと内心ヒヤッとしたのだが、さすが岩田さんの懐は広い。「えぇ、そんなに!」とソフトな感嘆交じりでぼくの緊張だけでなく、収録現場全体の雰囲気すら和ませてくれた。幸先よい救いの一言に他ならなかった。

脱力感が基本姿勢

岩田剛典 考えてみると、それもそのはず。2ndアルバム『ARTLESS』が意味するのは、技術や芸術に拘泥することなく、飾らない“ありのまま”の姿だったから。確かに収録中、椅子にゆったりと腰掛ける岩田さんは、粋そのもの(某局での独占取材。楽屋中央に置かれた簡易椅子に悠然と座り、取材に応じる三代目JSBツインボーカル、ØMIさんのジャズ的な佇まいが思わずフラッシュバック……)。  お手本のような脱力感が基本姿勢。収録直前、カメラ袖で岩田さんとスタンバイして軽く会話を交わしたときからすでに、「あれっ、やけに脱力されているな」と感じたのは的外れではなかった。  それは今回のアルバム作りの前提になっているからだ。1stトラックとしてリード曲「Paradise」を配し、岩田さんらしい作詞の技がきらめくフレーズが見事にシームレスに曲順を流してくれる。ただし、コンセプチュアルになり過ぎない、控えめな見え方が本作のミソ。  このシームレスな感じ、どこかマーヴィン・ゲイ的でもある。各トラックは、そうだな、例えば80年代UKソウルのグランド・ビートのように洗練されたノリを感じる。完成度や出来栄え以上に自分がライブのステージで、その曲をパフォームしたときの青写真が常に描かれてもいる。柔軟さと明確なビジョンに揺るぎはない。
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気取らない配慮と飾らない感謝
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