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39歳ジュノンボーイ俳優の“なんとなく拍子抜けする”演技。10年代から変わらない軽妙さとは

よく見るとすごい“ウザさの名人芸”

 ただしこれが困っちゃうのは、さっき指摘したように、平岡はいかにもヒョイッと演じるものだから、達也の悪気のなさがよりむき出しに強調されていること。これはある意味、名人芸。  居酒屋での初登場をよく見ると、現れた平岡の背中にカメラが上手から下手へ滑るように回り込み、平岡のクロースアップがピタッと画面を占有する。うまい具合に控えめの演技だけれど、キャラクターの性格に合わせたこれ見よがしではある登場の仕方が、達也のウザさを絶妙に引き出している。  ちょっとタイミングがズレたら、このウザさは出ない。カメラ前の平岡は、きっと紙一重でちゃんと狙って、キメてきてると思う。その後の達也の実家での亭主関白ぶりは、もはや令和には新鮮に映る。  最終的に妻側から痛烈なしっぺ返しをくらうのが本作の醍醐味だが、さてさて久しぶりに推してみたくなった平岡君は、いったい、どんなリアクションを見せてくれるのかしらね。 <文/加賀谷健>
加賀谷健
コラムニスト/アジア映画配給・宣伝プロデューサー/クラシック音楽監修 俳優の演技を独自視点で分析する“イケメン・サーチャー”として「イケメン研究」をテーマにコラムを多数執筆。 CMや映画のクラシック音楽監修、 ドラマ脚本のプロットライター他、2025年からアジア映画配給と宣伝プロデュース。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業 X:@1895cu
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