39歳ジュノンボーイ俳優の“なんとなく拍子抜けする”演技。10年代から変わらない軽妙さとは
現在のように推し活が広く浸透する直前、2010年代。ひとりで静かに平岡祐太を推していた。
映画、ドラマ、舞台と手当たり次第。同じ作品を何度も繰り返し鑑賞する。でもそれもいつからか熱が冷め。まるで再会するかのような気持ちで久しぶりに見たのが、なかなかハードな夫婦ドラマだった。
イケメン研究をライフワークとする“イケメンサーチャー”こと、コラムニスト・加賀谷健が、毎週木曜よる24時20分から放送されている『極限夫婦』(関西テレビ)に出演する平岡祐太を偏愛解説する。
平岡祐太、好きだなぁ。ある一時期までは、ほんとに四六時中、彼のことを推していたと思う。俳優としての活躍を追うだけでなく、趣味人の一面にめちゃくちゃ魅了されていたのだが、その特技がエレキギターの演奏。
好きなギタリストがエリック・クラプトンという渋さがたまらなく嬉しくて。だからクラプトンをヘビロテするときは、目を閉じて平岡祐太がギターをかき鳴らす姿を常に思い浮かべたり。これまでに筆者がファンクラブに入会した、ただふたりのうちのひとりでもある。
最初は溝端淳平で、次が平岡。どっちもジュノンボーイのふたり。それぞれ2006年と2002年の受賞年は、今よりグランプリ受賞とジュノンボーイの称号にはずっと価値があった時代。
趣味の渋さも良い平岡祐太
偏愛の人だったけれど……
推しを見るには、舞台作品が最適。野村萬斎が企画・監修した『道玄坂綺譚』という舞台が2015年にあって、能舞台を模した正方形の簡素な空間を生身の平岡が躍動していた姿は、夢うつつの演劇体験をもたらしてくれた。 2017年には、『内田康夫サスペンス 新・浅見光彦シリーズ』(TBS)で4代目の浅見光彦俳優になったのが、これまた嬉しく。そんな我が偏愛の人だったけれど、いつからかピタリと推し活をやめてしまった。 はっきりとした理由はないものの、やはり新世代スター俳優たちが次々登場して取って代わられることで、かつてのジュノンボーイである平岡の足場が不安定になったことは否めない気がするのだ。