介護施設で日常化する高齢者からのセクハラや暴力。理想に胸を膨らませて就職した20代女性職員が明かす“限界寸前の労働環境”
人手不足が深刻化する介護業界。報道などでは職員の対応が問題視される一方、利用者からの暴言やセクハラ、暴力に悩みながら働く職員も少なくありません。
「心が折れそうになりながら働いている職員も多く、私自身もストレスが限界です。生々しい現状を、少しでも知ってほしいです」と話してくれたのは、介護施設で働く佐藤愛花さん(仮名・20代)です。
取材に応じてくれた愛花さんは、筆者から見てもおとなしい印象。介護職に就くまで、声を荒げたり激しく怒ったりした経験はなかったといいます。介護職員を目指したきっかけは、大好きだった祖父の死。「日々弱っていく祖父に、もっとしてあげられることがあったのでは?」という想いからでした。

「ただ、テレビやネット、まわりの人たちからは介護施設は職員が冷たいとか意地悪だとか聞いていたので、就職するまではヒヤヒヤ。いろいろな施設へ面接に行き、雰囲気のよさそうなところを選びました。職員の方たちは、思っていたよりもずっとやさしい人たちばかり」
ベテランの職員がほとんどだったこともあり、研修中には「困ったことはない?」「休みながら少しずつ覚えてね」とやさしい言葉をかけてくれることも多かったそう。さらにサポート体制も万全。ゆっくりと介護の現場に馴染める施設だったのです。
「拍子抜けでした。この施設なら、先輩職員さんたちの力を借りながら、利用者さんを笑顔にする介護職員を目指せそうだと思ったのです。期待に胸を膨らませながら、休憩のときにそんな意気込みをポロっと話したのですが……」
話を聞いていたベテランの職員が苦笑いして「あんまり夢は見ないほうがいいよ。研修が終わって担当するフロアが変わったら、嫌なことも増えると思うけど、毎日お給料をもらいに来ていると思ってやり過ごして。何かあったらいつでも相談してね」と返してきたのだとか。
「当時は重く受け止めていなかったのですが、研修が終わるとすぐ男性利用者さんから『やっと研修終わったらしいな。これで一人前やな』と挨拶のようにお尻をつかまれ、近くにいたほかの職員が注意しても『この子が触ってほしそうな顔をしているから仕方ない』と開き直られて不快でした」

お尻を触ってきた利用者はさらに「研修が終わった洗礼だ」と言い、毎日いろいろなところへボディタッチ。先輩職員たちからのアドバイスでなんとか受け流せるようになってきた頃、そういった“セクハラおじいさん”たちがゴロゴロいるフロアへ異動することになってしまいます。
「制服の上からですが、お尻の穴に指を突っ込もうとする勢いの人もいて鳥肌が立ちました。利用者さんは自分の部屋から勝手に出てはいけないルールになっているのですが、職員たちの目を盗んで車いすで女性利用者のところへ忍び込もうとする強者もいます」
利用者を笑顔にする介護士を目指して

画像はイメージです(以下同)
「触ってほしそうな顔」とお尻を触るセクハラ

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