自らを追いつめていき、ついに言動までおかしくなってしまうヒバリ。そんなヒバリを常に心配し、元気づけていたのが親友のとうこでした。
ヒバリととうこはルームメイトで、アルバイト先も一緒です。そんなとうこが阻止するのを振り切って、ヒバリはタクローをストーカーだと責めてしまいます。
しかし、タクローは随分前から鈴をはずしているという事実が判明。ヒバリは愕然(がくぜん)とします。
鈴の音の正体は何?信じていいのは誰?二転三転する結末に、あなたの背筋は凍るはず。目の前で繰り広げられる現実は、はたして本当に真実なのでしょうか。
1冊におさめられた続いての作品「消えた旦那の浮気相手はずっと隣にいました」の主人公・ゆみは結婚3年目。結婚相談所でマッチングした夫は公務員で、おたがい条件重視で一緒になりました。
愛のない生活はじょじょに破綻し、ゆみが離婚に踏み込もうとした矢先に、匂ってきたのが夫の浮気疑惑です。
“別に夫が浮気しようがかまわない。とはいえ自分が不在の時に女を連れ込まれるのはたまらない。家の中に見ず知らずの女の香水が漂うのは、生理的に嫌だ”
この心理は、読んでいてとてもよくわかります。夫や夫の浮気相手はどうでもいい、でも自分が暮らす家を汚されるのは我慢ならない。
ゆみは夫の言動を注視し、入念に探りを入れはじめます。するとどこからか、鈴の音が聞こえてくるのです。