別れて数年経ちますが、今でも彼に対してどう接すればよかったのかと考えることがあります。「関係を良くしたい」「更生してほしい」などと思っているのではなく、
彼のような男を上手に傷つける方法を探してしまうのです。あの頃、私は傷ついていたのだと思います。「ここまで言われても結婚を考えられないなんておかしいのかな」「妊娠できなかったらガッカリされるんだろうな」「中イキできない私は女として劣っているの?」と。
そこで気づいたのは、ノンデリ男には「あなたデリカシーないって言われない?」と、デリカシーなく伝えるしかないということ。彼らは非常に素直で、思ったことをノンストップで声に出してしまうから、結果的にノンデリになってしまうのだと思います。だからこちらもほにょほにょと優しく伝えるのではなく、
「オラ!聞け!」という勢いではっきりと声に出さないと、彼らには届かないのです。
今もどこかで彼に傷つけられている女の子がいるかもしれないと思うと、やっぱりはっきり言っておけばよかったな、と少し後悔しています。どうか私より強くて声の大きい女の子と出会っていますように。そう願わずにはいられません。
<文/七尾紫 イラスト/織田繭>
七尾紫
元・恋愛体質のフリー編集者。ダメ男に好かれてしまう特異体質を持つ。DVと不倫以外は大体やられている