2017年秋、大阪で次女のまりいちゃんを出産した瑞穂さん。ダウン症であることを告げられたのは、産後わずか3日目のこと。大きなショックを受けたと言います。
「これからの子育てへの不安と恐怖でパニック状態になっていましたし、涙が止まりませんでしたね」(カッコ内ガードナー瑞穂さん、以下同じ)
エッセイ集の中では、『自分で作り出したネガティブな妄想の連打の攻撃を受けて(略)落ちに落ちて地面を掘り、たぶん日本からオーストラリアまでたどりついていた』とコミカルに振り返る瑞穂さん。
しかし、当時の本音は、未来が考えられなかったといいます。
「告知を受けたときに、臨床心理士の先生から『人生のなかで10年ぐらいかけて起こるような精神の変化が、入院中から数ヶ月くらいの間に起こる』と説明されたのを覚えています。それと、気持ちが揺らいでいるから交通事故と宗教勧誘には気をつけてください、とも(笑)」
暗いトンネルから抜け出せないような日々が続き、周りの人から「(まりいちゃん)かわいいですね」と話しかけられても「でも、ダウン症なんです」と答えずにはいられなかったと言います。
そんな気持ちを克服できるようになったのはなぜなのか。瑞穂さんは次のように語ってくれました。
「周囲のダウン症児の子育てをしている方や、ダウン症について発信している海外のInstagramの投稿を見て、少しずつ心境が変化していきました。ダウン症だろうが関係ない、子育てを思い切り楽しんでいる方を見かけて、“現実を受け入れよう、子育てを楽しむ時間を失いたくないな”と思ったんです。
その結果、まりいちゃんが2歳になった頃には、言わなくなりましたね。周りのダウン症児を育てるママたちには、受け入れるのが早いと言われました。それくらい、長い間悩んでいる人が多いのかなと思いました」