「爪が長いくらいで…」と思うかもしれませんが、その「それくらいで」をきっかけに冷めてしまうことこそが“蛙化現象”。私もこのとき初めて体験しました。

ちなみにデート中は、私に道路側を歩かせなかったり、「段差あるよ」と声をかけてくれたりと大変紳士でした。でもところどころで“男”を香らせたいのか、「女の子をナンパしてホテルに連れて行くテクニックがあって…」みたいな話をしてきたり…。それに対して「てめーその爪で女の体に触れたんじゃねーだろーな」と、脳内で突っ込んでいる自分がいました。普通に不潔ですし、ナンパの前にやること(爪切り)があるんじゃないですかぁ?と、少しイライラしちゃいました。
それでも、デートは完遂いたしました。一緒にいた約6時間、ずっとずっと爪のことばかり考えてしまい、帰ってからさすがに反省。結局、その日以来、彼には会っていません。
私はあれから、爪を切れない理由や、そういった病気があるのかなど、思考のかぎりを尽くしました。でも二度目のデートでわかったのですが、彼の服はヨレヨレで、コーディネートもミスマッチ。髪の毛もノーセットで、靴もボロボロ。普通に、人柄と運転技術に全振りした男性だったのだと思います。
ただ、彼から見て、私が“蛙化”したタイミングが多分あったように思います。私は当時、少し大きい企業に勤めていたのですが、「社員数どれくらいいるの?」と聞かれて「何千人とか…?」と答えてからテンションが下がっていくのを感じました。
変な質問ですが、マッチングアプリにおいてこの質問をしてくる男性はたまにいます。要は、“自分より稼いでそうな女は嫌だ”ということだそうですが、こっちは何も悪いことをしていませんから、どうしようもありません。そう、“蛙化現象”は、どうしようもないのです。
このように、自分だけでなく、相手にとっても自分が何かの瞬間に“蛙化”していることがあるかもしれません。そんな想像力を得られたのも、今ではよかったと思っています。
みなさんの“蛙化”ポイントは何ですか?私は…やっぱり爪ですかね!
<文/七尾紫 イラスト/織田繭>
七尾紫
元・恋愛体質のフリー編集者。ダメ男に好かれてしまう特異体質を持つ。DVと不倫以外は大体やられている