「フリーカット するめシート」が「フリーカット」であるワケとは

フリーカット するめシート 299円(税込)
ほかにも気になったのは「フリーカット するめシート」。するめはカットされていた方が食べやすそうだなと思ってしまうのですが、なぜフリーカットにしたのでしょうか。
「食べやすさだけでいうとカットの方が良い部分かもしれませんが、カットしないままにすることでお客さまが自由に選べるような余白をつくりました。
たとえば、大判の状態でマヨネーズを挟んだり、頬張って引きちぎって食べたり、自分で好きなサイズにカットしたり……。あとはインパクト重視でベルトみたいな見た目が楽しいのではないか?という遊び心もありました」
(無印良品担当者)
「甘くないカフェインレスカフェオレ」は、カフェオレなのか?

甘くないカフェインレスカフェオレ 190円(税込)
ほかにも、無印良品には「甘くないカフェインレスカフェオレ」という商品もあります。カフェインレスで甘くない……それはカフェオレなのでしょうか?
「無印良品では以前よりカフェインレスコーヒーの需要が非常に高く、豆粉では通常のオリジナルコーヒーよりも人気でした。一方でカフェインレスの飲料が以前はブラックコーヒーしか品揃えがなく、支持率が低いことが課題でした。
調べたところ、カフェインレス購入層は30~40代女性が多かったことから、その層の嗜好に合わせたオレ(ラテ)に再設計しました。
健康需要の高まりから市場でも砂糖抜きのカフェオレの需要が高まっていること、さらにカフェなどでも砂糖を入れずに飲まれる方が多いことから甘くない設計になりました」
(無印良品担当者)
「甘くないカフェインレスカフェオレ」なんておかしくない? と思っていたのは思い込みで、むしろニーズがあったということ!
そしてそのニーズを持った方に訴求すべく、わかりやすくダイレクトに商品名にその製品特徴を記しているのも無印良品らしさ。
無印良品は誕生当初より商品のワケを伝える商品名を採用しており、たとえば1982年に発売された「板なしかまぼこ」はその名の通り板を外し化粧包装も省いた商品でした。そんな昔からこのスタイルを貫いていたのですね。
お店を訪れた際は「商品名」に着目してみることで、これまでになかった「そうそう、これが欲しかった!」という商品に出会えるかもしれません。
<文/松本果歩>
松本果歩
インタビュー・食レポ・レビュー記事・イベントレポートなどジャンルを問わず活動するフリーランスライター。コンビニを愛しすぎるあまり、OLから某コンビニ本部員となり店長を務めた経験あり。日本酒・焼酎・発酵食品が好き。X:
@KA_HO_MA