保護猫サイトで発見した“強烈な個性”を持つ子猫→数年後の天真爛漫な姿が愛くるしい
新たに迎えた同居猫に“お姉ちゃん風”を吹かす日々
同居猫となった乙ちゃんはもともと、別のお宅の飼い猫が生んだ子猫でした。
元飼い主さんは大家さんに内緒で猫を飼っていたものの(当然ですが、契約上の問題だけでなく、猫のためにも真似してはいけませんよ!)、あえなく見つかります。
どうしようもなくなった元飼い主さんは、乙ちゃんを遺棄。しかし心が痛み、「捨ててしまったので保護してほしい」と動物保護団体に連絡をしたことで、3日後になんとか保護された……。それがchat noirさんたちと出会うまでの乙ちゃんの経緯です。
そうしたこともあってか、乙ちゃんはchat noirさん宅でのトライアル中、「コクシジウム症」という寄生虫感染による激しい下痢に襲われてしまいます。
トライアルは一時中断となったものの、絆那ちゃんと仲良くなれそうな手応えもありました。症状が無事に治まると、正式な家族として迎え入れたのです。
思い描いたとおりに2匹は少しずつ距離を縮めてゆき、よい遊び相手に。乙ちゃんが避妊手術を受けたときには励ますように寄り添う、絆那ちゃんの姿がありました。
「ただ、世話焼きな絆那ちゃんは乙ちゃんを舐めすぎるんです(笑)。乙ちゃんのフサフサで立派な襟毛が毛づくろい後になくなってしまったときには、びっくりしました」
面倒見のいい絆那ちゃんは、心配性でもあります。奥さんが何かを壊すなどして悲鳴をあげると、慌てて駆け寄ってきてくれることもあるとか。そんな日常に、chat noirさんは幸せを感じています。
元気を取り戻した今、絆那ちゃんの力を世界にお裾分け
「絆那ちゃんが来てから私の表情が見違えたらしく、『よく笑うようになったね』と話してくれました。そんなに笑っていなかったのかと心苦しく思うと同時に、驚きもありました」
chat noirさんの調子が安定してきた2022年7月、Twitter(当時。現X)で猫アカウントを作り、愛猫たちとの日常を投稿するように。
最初は記録代わりのアカウントでしたが、今は見た人が笑顔になれるポストを心がけているそう。
「うつだった私を笑顔にしてくれた絆那ちゃんの力で、今度はXのみんなをほんの少しでも笑顔にしていきたいです」
絆那ちゃんから貰った“笑顔の輪”がこれからもどんどん、ひろがっていきますように。
<取材・文/愛玩動物飼養管理士・古川諭香>
⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】古川諭香
愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter:@yunc24291



