『君の忘れ方』『ライオンの隠れ家』とのつながりにビックリ
――坂東さんは、高校の卒業制作でクレイアニメ作品『目の雫』をひとりで作り上げています。そこにも“死”にまつわるテーマが入っていたと聞きました。
坂東:婚約者を失うという経験は僕にはありませんが、過去に身内との死別を味わったことはあります。だから今回、そこに僕自身が向き合う旅の始まりでもあるのかなと感じていました。
高校時代に作ったクレイアニメは、戦争へと徴兵された婚約者のことをずっと待っている女性が主人公なのですが、恋人は亡くなってしまうんです。
自分自身が死別を経験したことも、クリエイティブな行為の中でずっとつきまとっているというか、その制作のときも影響があったのだと思います。大切な人が急にいなくなったら、人はどうなるのかということをテーマにしようと。
――今回の作品ともリンクしますね。
坂東:びっくりですよね。あと、実はそのクレイアニメに関しては、僕の最近の活動と、もうひとつ通じるところがありました。昨年の『ライオンの隠れ家』で、僕は自閉スペクトラム症の青年・小森美路人という役を演じました。

画像:TBSテレビ『ライオンの隠れ家』公式サイトより
――はい、拝見してました。ミステリー色の強い幕開けから、兄弟愛、家族愛、自立の物語へと繋がっていく作品も、みっくんそのものも支持されていました。
坂東:みっくんは自閉スペクトラム症の特性からこだわりが強くて、ルーティーンがはっきり決まっていました。
『目の雫』の主人公も朝起きて、ベッドをキレイにして、お湯を沸かしてお茶を入れて、リンゴを食べてと、毎日ルーティーンを繰り返します。
――ドラマでも、みっくんの朝起きてからのルーティーンが描かれていましたね。
坂東:恋人を徴兵に駆り出されたあとの待ってる姿とか、急に亡くしたあとの混乱みたいなものは『君の忘れ方』に繋がってるし、彼女の動きやルーティーンの感じはみっくんのよう。
少し前に見直してみて、今に繋がっていることにとても驚きました。

映画『君の忘れ方』より ©「君の忘れ方」製作委員会2024
――あらためて『ライオンの隠れ家』放送時、反響は感じましたか?
坂東:周りの人はみんな見てくれてましたし、普段、僕の作品を観ない友達や、シュタイナー(坂東さんはシュタイナー教育の学校出身)の友達なんかも「いいじゃん」と言ってくれてました。
もちろんすべての作品を良い作品にしたいと思って作っていますが、こうやって世の中からの反響をちゃんともらえたのは、僕にとってはOne Upになりました。
今後、いろんな役をやっていく架け橋になればいいなと思います。
――このタイミングでの主演映画公開も。
坂東:ドラマをきっかけに知ってくれた人にも、「もしよかったら映画館で2時間ほど僕にください。損はさせません」と伝えたいです。