
まだまだ暑さが残る日だったこともあり、碧衣さんは熱中症気味になってしまいます。
そのことを伝えても、飲み物を買ってくれるわけでもない。体調が悪いので早めに帰りたいと伝えると、Sさんは碧衣さんの心配どころか、「え! 入園料もったいない!」と口走ります。
「思わず、『ごめん。入園料は私が全額あとで返すから、今日はもう帰らせて』と懇願してしまいました。
これにはSも、『変なこと言ってごめん。料金は払ってくれなくても大丈夫だから。今日は、もう帰ろう』と言ってくれたのです。ホッとしました」
駐車場に着くと彼は、保冷バッグから生ぬるくなったペットボトルを取り出すと、一気に飲み干すよう指示。碧衣さんが落ち着いてくるのを見計らうと、「今度は、彼氏彼女としてUSJに来たい」と告白してきたのです。
「無理の一択でしたが、帰り道のこともあるし、ひとまず『いまは体調が悪いので考えさせてね』と言いました。そのあとは、無言の道中です。数日後、正式にお断りの返事をしました。
いま振り返っても、人生でダントツ最悪なデートでした」
デートの楽しさは、人気のスポットであるかどうかだけではなく、自分や相手の価値観や感覚によっても大きく左右されるもの。
どちらかが相手に幻滅してしまうことを避けるためには、行き先やプランよりも、デート相手のリサーチが何よりも大切かもしれません。
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<文/山内良子>
山内良子
フリーライター。ライフ系や節約、歴史や日本文化を中心に、取材や経営者向けの記事も執筆。おいしいものや楽しいこと、旅行が大好き! 金融会社での勤務経験や接客改善業務での経験を活かした記事も得意。