「自分には物を食べる資格が無いのに食べている罪悪感」摂食障害に苦しむ女性が気付いた幸せの味わい方
「食べ物をおいしく食べられていて、そして吐けていればそれでOK!!」
この言葉に救いを感じたのは私だけでしょうか。
『これはゆがんだ食レポです』(双葉社)は実体験に基づくコミックエッセイ。ちなみに冒頭の言葉ですが、摂食障害専門のカウンセラーさんも似たようなことを言っていたそうです。
食べ物を極限まで胃に詰め込んで吐く。手持ちの食べ物がなくなったら買いに走り、食べ、吐く。この無限ループが摂食障害。実は私にも経験があり、私の場合は吐く行為ができずチューイング(噛み吐き行為)でしたが、一種の摂食障害なのは間違いありません。
摂食障害の原因は複雑です。ただ、本書の表紙で描かれているように、涙と鼻水を垂れ流すほどつらいのは確かで、つらさを客観視できているのが、またつらいのです。
おいしい、幸せ、満腹、という感覚がもたらす、身も心もめいっぱい満たされる、というカタルシス。地獄があれば天国もある、だったら天国目線で世界を見たい。
禁断の食レポ、開幕です。
<※注意:本作は摂食障害の著者の、食に関するエッセイ漫画です。本記事への出張掲載回にはありませんが、作品中には、過食嘔吐の描写がある回がありますので、トリガーになりそうな方はご注意ください>