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総再生回数16億回超え! 青春ショートドラマ『まいはに』、驚異的ヒットのワケ

ショートドラマ、小説、楽曲がコラボ。『まいはに』初の小説プロジェクト

『毎日はにかむ僕たちは。』

いぬじゅん『ヒロインになるまでは 』(扶桑社文庫)

――『まいはに』の新プロジェクト『ヒロインになるまでは』が2025年1月にショートドラマ、小説、楽曲として同一タイトルで発表されたそうですね。このプロジェクトが始動したきっかけはなんですか? 平岡:担当編集さんから「『まいはに』で小説を出版しませんか?」と提案してもらったのがきっかけですね。「ブルーライト文芸」というカテゴリーが『まいはに』と相性が良いこともあり、すぐに話が進みました。 さらに、小説単独より大きく盛り上げる座組みにしたいと思い、小説にドラマや音楽を組み合わせることになりました。 ――井上さんは『ヒロインになるまでは』のお話が来た際、どのように感じましたか? 井上:マルチプルなコンテンツの深さがあり、IP化に繋がる可能性があることに非常に興味を持ちましたね。 ――「青春は思っているほど安定したものではない」というコンセプトに込めた想いとは? 平岡:年を重ねると青春時代を美化しがちですが、実際には小さな葛藤や悩みで本気で苦しむことも多いです。今回のメッセージは、その現実を伝えたいと思っています。 井上:あとZ世代の青春は、SNS時代の刹那的なつながりが特徴ですよね。SNSで簡単につながれる一方、昔の人間関係に比べて不安定でもあります。そうした現代の青春が「思っているほど安定したものではない」というメッセージに共鳴しているように感じます。

三者三様の独自解釈で、より多くの人が楽しめる作品に

――小説は、2014年に第8回日本ケータイ小説大賞を受賞しデビューした人気作家・いぬじゅんさん、楽曲は新世代シンガーソングライター・乃紫さんが手がけているそうですね。今回、コラボのうえで工夫したことはありますか? 平岡:「餅は餅屋」と言いますか、コンセプトを共有し、その後の作業は各クリエイターが自分の領域で進めることを大切にしました。企画段階でアーティスト、作家、放送局、出版社が一堂に会するミーティングを行うという形式で進めました。 最初の企画打ち合わせで、小説家のいぬじゅんさんやシンガーソングライターの乃紫さん、佐藤さん、そして私のプロデュース視点をしっかり固めました。こうした最初の合意形成ができれば、後は各自が作業を進めるだけだったのでスムーズでしたね。 ――そうして完成した、ショートドラマ、小説、楽曲の各作品の見どころを教えてください。 平岡:まず、小説に関してですが、いぬじゅんさんは日常に巧みにファンタジー要素を取り入れるのがお上手でして。今回の作品でも、立場が入れ替わるという非現実的な設定が現実のように感じられる点が非常に魅力的です。 楽曲については、乃紫さんの書く「ヒロインになるまで死ねない」というストレートかつ強烈フレーズがすごく印象的で、Z世代の心に強く響くと思います。この言葉には、生きることの意味や自己実現の重要性が込められていて、若者たちの背中を押すメッセージが詰まっています。これは、乃紫さんにしか表現できないのだろうなと。 最後にショートドラマは、いぬじゅんさんの小説を映像化したもので、主人公の成長が視覚的に伝わりやすいです。映像を通じて、立場が入れ替わる設定やキャラクターの内面変化がよりリアルに感じられますよ。キャラクターの表情や仕草が細かく描かれているので、より一層深い没入感を楽しめるのではないでしょうか。
――その3つのジャンルが、コラボレーションすることで生まれるシナジーとは? 平岡:「クリエイティブな面」と「間口が広がる」という2つの要素があると思っています。クリエイティブな面では、これまで『まいはに』は日常をベースにした作品を作っていて、SFの要素をあまり取り入れていませんでした。 ですが、いぬじゅんさんの得意とする、「現実ではありえないけれども、もしかしたら起こるかもしれない」という絶妙なバランスで、『まいはに』のように楽しんでいただけると感じました。また、普段は挑戦しない内容に取り組めたことも、大きなポイントです。 YouTubeで配信したドラマに関しては、尺の面でも、通常の10分のYouTube動画ではなく、今回40分という長尺に挑戦しました。さらに、乃紫さんの音楽が関わることで、より没入感を高めることができました。 もう一つ大切なポイントは、多くの方に作品を楽しんでいただくために、間口を広げることです。たとえば、YouTubeのドラマを見て「これ小説が原作なんだ」と思って小説を買ったり、小説を読んでドラマを見るといったように、異なるメディアを通じて作品に触れる機会を増やしたいなと。
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アナログとデジタルの新たな可能性を追求したい
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