実写『白雪姫』に酷評続出!ディズニーが貫く「ルッキズムへのNO」と“王子様の不在”による男児への影響とは?
王子様でなく山賊が登場に賛否
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その後の展開として、白雪姫とジョナサンは一目惚れによる恋愛関係ではなく、お互いの内面の魅力に惹かれて同志のような友愛を育んでいきます。毒リンゴを食べて息を引き取った白雪姫にキスをして目覚めさせる役割は一応ジョナサンが担いましたが、そこから2人が結ばれていくようなワクワク感はあまりありません。 助けを待ち続けていた白雪姫を王子様が救ってくれる受け身の姫ではなく、1人で未来への道を切り開く中でたまたま出会った、その辺の男と関わり合いながら自分の力で女王を倒す主体的な姫が本作の白雪姫なのです。 こうしたジョナサンの立ち位置には「キスで目覚めるという外せないストーリーを無理矢理入れ込んだように感じた」、「王子様ではなく山賊とキスってどうなの」と王道の王子様と白雪姫のロマンティックなキスを期待していた人はガッカリしたと思われます。 王子様に救い出されるのではなく自分で道を開くどころか、そもそも王子様自体が存在しないという斬新(ざんしん)な設定には賛否が巻き起こっているようです。
現代の男の子に向けたメッセージ
しかし、この王子様の不在にこそ、新しい時代の子どもたちに対して責任を負っていくというディズニーの信念があるようにも感じられます。筆者は、本作のディズニープリンセスと王子様の関係を通して、“ディズニー作品における王子様”という存在を再定義するチャレンジにも見えました。 昨今のディズニーは本作に限らず、多様性や強い女性像を打ち出すべく、実写化では原作とは違う人種の俳優を起用したり新たなストーリー展開に脚色したりすることが増えてきました。 プリンセスがただ王子様の助けを待つのではなく、ありのままの自分を肯定し、自分自身を信じて、自らの力で戦ったり未来を切り拓いたりするという現代の女の子をエンパワーメントする内容は時代のリアル感ともマッチして世界中に受け入れられてきました。

『アナと雪の女王 2 オリジナル・サウンドトラック』 Universal Music


