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元TBSアナの私が40歳になる年に北海道大へ入学したワケ「神様からまっさらな人生を与えてもらったかのような…」

地元に戻り去来した想い「何者でもない=何者にでもなれる」

4月よりメインMCを務めている『どさんこWEEKEND』(STV札幌テレビ放送・毎週土曜あさ9時25分〜)にて

4月よりメインMCを務めている『どさんこWEEKEND』(STV札幌テレビ放送・毎週土曜あさ9時25分〜)にて

 2024年に生まれ故郷である北海道に拠点を戻し、まったく新しい生活を1からスタートさせた私でしたが、  そのときに私の心に去来した想い。  非常に表現が難しいのですが、五里霧中で先々の方針がまったく決まっていないという不安定極まりない状況でありながらも、神様からまったく新しい、まっさらな人生をポンと与えてもらったかのような、そんな感覚になったのです。  何も決まっていない、そして自分は何者でもない=何者にでもなれる、何かを自分次第で選び取ることができる、ということではと。  細い細い一筋の光が、山脈のように重なる真っ黒い雲の間からほんのり見えているような感覚。  怖い。でも、たった一度の人生、やってやれないことは無いのでは、と。  そして、心の奥底に何か後悔が残るようなものがあるのだったら、それは絶対に今のうちにつぶしておこうと、そんなふうに思ったのです。  そのとき私の胸に迫ってきたのは、祖父が長年「奉行」させていただいていた北海道大学の存在です。

祖父に連れられ北大の植物園で遊んだことも

 祖父は小林禎作という気象学者でした。実は北海道に帰ってきて、気象を身近な立場に置かれる酪農、畜産や漁業関係者の方々から、「小林禎作先生のお孫さんだったのですね」などと声をかけられることが多々あり、それにとても心を揺さぶられました。  私はおばあちゃん子でしたが、祖母は非常に祖父のことを尊敬していました。年齢の割に早く他界した祖父の存在はずっと我が家にとり特別なもの。そして北大という存在は、祖父の存在を強く思い出させてくれる心の故郷のようなものだったのです。  幼い頃、北大の植物園で遊んだこともたくさんありました。しかし私は東京の女子大に通うこととなり、もう北大とのご縁は私の人生には無いのかもしれないなんて思うことがあり、それは自分の中で正直少し寂しいものだったのも確か。  北海道でまったく新しい人生を歩み始めたときに、私の胸によぎったのは、実家に帰ってきて新たにした、「家族」への想い。  そしてもう一回、大好きな学問の世界の扉を叩き直そう、博士課程に挑戦するのもありなのかもしれない、と。そういったことだったのです。
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受験勉強は“最初で最後のチャンス”と思って臨んだ
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