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新ドラマ『夫よ、死んでくれないか』はタイトル詐欺? “モラ夫・不倫夫・束縛夫”が「ポケモンみたい」と思うワケ

復讐モノなのに気が滅入らない“工夫”も随所に

 クスッとするシーンが散りばめられていることも、同作に引きつけられた要因である。「口臭が気になる哲也から暴言を吐かれた後、リフレッシュのために焚いたお香を、映画『ショーシャンクの空に』のジャケット写真のように全身で受けようとする友里香」「外国人観光客のために写真を撮って『Enjoy japan!』と手を振って見送った後、GPSアプリを見て璃子が自宅にいることを確認して『自宅でEnjoy』と爽やかな笑みを浮かべる弘毅」など、ついつい笑えてしまう。
 復讐モノは基本的に画面が暗く、ねっとりずっしりした展開が続くため、気が滅入ってしまい離脱するケースは珍しくない。笑える要素がところどころ用意されているため、終始どんよりすることなく視聴できた。

役者陣の安定感で、登場人物に感情移入できる

 とはいえ、脚本や演出の巧みさはもちろんではあるが、作中の暗い雰囲気を壊さずに、しっかりと笑わせるキャスト陣の演技力があってこそだ。主演3人だけではなく、彼女たちの夫役の3人もキャリアは十分。安心感のある役者が揃っているからこそ、笑えるところはしっかり笑え、切実なところはしっかり登場人物に感情移入できたように思う。  猟奇的なタイトルに見せかけた繊細なストーリーの本作が、どう展開していくのか楽しみだ。 <文/望月悠木>
望月悠木
フリーライター。社会問題やエンタメ、グルメなど幅広い記事の執筆を手がける。今、知るべき情報を多くの人に届けるため、日々活動を続けている。X(旧Twitter):@mochizukiyuuki
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