――この時期以降は、ウイルス以上にニオイが気になるという人も多いかもしれません。
進藤さん:嫌なニオイのもとは、カビや菌によるものであることも多いです。嫌なニオイは、皮膚の表面にいる常在菌が汗や皮脂を栄養にするため分解するときに発生します。酸っぱいようなニオイで、汗臭や体臭といわれているものです。菌はだいたい25℃を超えると活発になるため、これからの季節は嫌なニオイに遭遇しやすくなるかもしれません。
――嫌な季節ですね。部屋のニオイも同じ原理ですか?
進藤さん:はい。部屋のニオイも、カビや菌によるものも多いです。たとえば洗濯物の生乾き臭も、衣類に残っている汗や皮脂をエサとして菌が増殖するときに発生します。汗や皮脂のつきやすい寝具なども気をつけたいですね。
――何か具体的な対策はありますか?
進藤さん:菌の増殖を抑えてあげることが大切になるので、除菌や殺菌効果のあるスプレーをする。二度拭きのいらないアルコール除菌スプレーなどを使えば、除菌しながらキッチン周りやリビングの掃除にも使えます。
――アルコール除菌は、乾いた状態でスプレーするのが効果的でしたね。
進藤さん:はい。アルコール除菌は対象物に付着することにより効果を発揮します。対象物が濡れていると効果が半減してしまうので、しっかりと乾いた状態でスプレーしてください。
――ニオイに関して、ほかに教えていただけるようなことはありますか?
進藤さん:素足で過ごすことも多い季節、足のニオイなども気になりますよね。足のニオイも菌が原因です。足にいる菌が汗や角質・垢などの老廃物をエサとして分解することで発生する“イソ吉草酸”や“酢酸”といた物質のニオイが足臭につながっています。そのため、靴の中で菌が繁殖しないようにすることがポイントです。
――靴をこまめに洗濯したり除菌スプレーをしたりすれば大丈夫ですか?
進藤さん:こまめな靴の洗濯や除菌スプレーもそうですが、靴を脱いだあと、すぐに足を洗うことが大切です。いくら靴をきれいにしても、足そのものが臭いと、また靴も臭くなってしまいます。それに家から帰ってきて足を洗わないと、ずっと菌をつけて移動する形になってしまう。最初は靴だけが臭かったのに、気づいたら玄関マットや子ども部屋まで臭いという話もよく聞きます。消臭や殺菌効果のある足用ソープなどで角質や垢をしっかりと洗い流し、足を清潔に保つことが大切です。
――なるほど。
進藤さん:足をしっかり洗うことは、水虫への対策にもつながります。水虫の原因は白癬菌というカビの一種で、足に菌が付着したまま放置することで感染。傷などがない状態では24時間以上、傷がある場合は12時間で感染するというデータもあります。なので感染を防ぐためにも、プールや銭湯など多くの人が裸足で歩き回るような場所に行ったあとはとくにしっかりと足を洗い流してください。バスマットなどには結構、白癬菌がいます。