けれど、「なかにはそういった利用者さんの言動にうまく対応できず、辞めていく新人スタッフさんも少なくありません。給料が見合わないうえに利用者さんからの性的な言動が酷ければ、辞めたくなりますよね……」と、夕子さんはこれまでを振り返ります。

「企業なら、セクハラやパワハラがすぐ問題になるのに、利用者さんからスタッフへの言動については『サラっと流して。それも仕事のうち』というような暗黙の空気が流れる介護の現場。お咎めがないから調子に乗る利用者さんもいますし、無法地帯のようになっています」
ほかにも、「抱えて起すときに胸を触られたりすることは日常茶飯事で、男性利用者から『夜のおともにしたいから』と勝手に写真を複数枚撮られることもありますし、
スタッフたちの目を盗んで男女の利用者が夜の個室で営んでいることもあります」とのこと。
「利用者さんの部屋を開けたら下半身を露出してニヤニヤしていた、なんてことも。もちろん施設にもよって違うと思いますが、
介護現場の性事情は皆さんが想像している以上にヤバイです。私なんて50代ですが、70~90代の男性からすれば若い女性。性的な対象なんです」
そして、「こうした介護の現場に耐えて頑張っている職員もたくさんいるのだということを知ってほしいです」と夕子さんは続けます。人手不足が深刻化する介護の現場では、給料や労働環境だけでなく、利用者の性的な言動や行動に関しても何らかの対策が必要かもしれません。
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<取材・文/山内良子>
山内良子
フリーライター。ライフ系や節約、歴史や日本文化を中心に、取材や経営者向けの記事も執筆。おいしいものや楽しいこと、旅行が大好き! 金融会社での勤務経験や接客改善業務での経験を活かした記事も得意。